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パニック障害を治す

 =治療計画の作成

 仕事にさしつかえるので治したい、今は落ち着いているけれど自信がないので完治したと思うようになりたいと思うならば、治療計画をたてます。 その計画に従って、実践を始めていきます。脆弱な(亢進部分と抑制の低下部分)が生じていると言われていますから、そこを改善しないと、すぐには、パニック障害は治らないでしょう。最近、発作が起きていなくても、脆弱性が修復されたでしょうか。脆弱性の修復に向けて長期の治療計画をたてます。  だから、まず、3〜6か月は、基礎的な力の向上になることを実行します。
1週間でやめるような、計画ではいけません。最近、症状が落ち着いているから、様子をみようというのでもいけません。条件がそろっていないだけのことでしょう。ストレス、過労状況がいつ、起きるか、わかりません。眠れる脆弱性を改善しておくのがよい。

状況不満・状況不快

 まず、自分の問題を明確にする。特性不満・不快と状況不満・不快があるはず。状況不満・状況不快は、発作にかかわることが強く感じられるでしょうが、ほかにも、あるかもしれません。 広場恐怖としての状況不満・状況不快の改善には、ずっと、後に挑戦します。基礎の心理的柔軟性が向上していない段階で、エクスポージャー法をやろうとしても、難しいでしょう。そこで、広場恐怖以外の、ストレス事象(状況不満・状況不快)の改善から取り組んで、特性不満・不快のレベルの底上げをしていきます。
 対人関係の問題はありませんか。家族や職場の人のことで、不満を感じているとか、重要な人と絶好状態にある、口をきかないというのは、特性不満を構成しますが、そういう人の間で、何かあると、特に、ひどい心理状況になるなら、状況不満です。
 パニック障害以外に、何か、悩みを持っていませんか。仕事に関連して不満の思考を繰り返していませんか。過去の出来事を繰り返し思いだして、いやな思いをしていませんか。
 たとえば、ある人と話している時に、よく怒る、イライラしてくる。これを、のばなしにしておくと、ストレスが持続します。どのような手法、対策で、ストレスを軽減するか計画を立てて、実行します。
 常時、どこにいても、感じている苦しみではなくて、ある状況で不満、不快になることが多くて、苦労しているのならば、それを列挙します。
 明確にした状況不満について、どのようにして軽減していくかの計画をたてます。認知行動療法の手法もあるでしょうし、マインドフルネス心理療法の技法もあるでしょう。

特性不満・不快

 特性不満を明確にします。状況によらず、常時どこでも自覚しているような不満、不安、不快な心理状況です。障害が持続すること、性格、健康、仕事、対人関係、しかも、過去のことか、現在持続しているか、明確にして、軽減のための行動(治療)計画をたてます。そして、実行します。

行動計画

 特性不満の改善のためには、どの技法を行なっていくか、どのような対策をとっていくか、状況不満に対しては、どの技法や行動を行なっていくか、計画を立てます。大切な人との不和ならば、和解に向けての行動もあります。必ずしも、心理療法の技法にはよりません。
 ただ、考えるだけでは、治りにくく、解決へ向けての行動、治療行動をとります。5年後にとり始めるか、今とりはじめるか。
 すすめたい方針は、まず、パニック障害としての、発作を止めるとか、広場恐怖そのものに取り組むのではなくて、心理的な柔軟性の基礎的な向上をはかることから始めることです。注意集中や自動思考の抑制、不快な感覚などの徹底受容などです。それを行いながら、自分の心理的な反応パターンが分析できるようになり、その改善のための行動をすれば、状況不満も軽くなっていく可能性があります。  行動のメニューは、次のようなものを考慮します。自分で、決めます。