広場恐怖=パニック障害やPTSD

 =同じ発作を経験するのに一部のみが広場恐怖に

 パニック障害(PD)や外傷後ストレス障害(PTSD)には、予期不安と広場恐怖を伴うことが多い。今回は、広場恐怖の脳神経の作用と、治療方針について、考える。
 広場恐怖については、PDの場合と、PTSDの場合とでは、違うところもあるようである(注1)。  パニック発作を起こした人が、すべて、予期不安、広場恐怖を起こして、パニック障害になるわけではない。  自律神経機能の亢進状況は、パニック発作を起こした人のおそらくすべての人にあるのだろうが、一部の人のみが、予期不安、広場恐怖に発展して、パニック障害となる。一部の人に、機能の連合が形成されるわけである。
 そうだから、パニック障害(PD)になるためには、自律神経の過剰な亢進のほかに、他の要因が関与している可能性がある。田村直俊氏も、前頭前野がPDに大きく関係しているかもしれないとしている。

機能間の連合を前頭前野が制御?

 自律神経の上位にある前頭前野が十分制御すれば、予期不安、広場恐怖にまで進展しないかもしれない。

前頭前野が十分制御していれば、自律神経の異常な亢進を起こさないかもしれない?
   
◆予期不安をかかえている時に、本来は発作とは無関係の身体徴候(*1)
◆発作の 警告信号であると考える ◆過去の発作の記憶がよみがえる
◆破局的認知
(◇自律神経の異常亢進のスイッチ) ◆発作が起きる
 そこで、前頭前野とPTSDの関係を詳細に論じておられる飛鳥井氏の論文を参照する(注2)。
(続)


(注)