パニック障害の心理療法

 =自己洞察瞑想療法

 パニック障害(PD)についての、脳神経科学の研究から、わかってきたことはおよそ、次のとおりである。  こういう知見に基づいて、パニック障害の心理療法を行う。

治療方針と治療法

 以下、パニック障害だけのクライアントの治療法である。うつ病が併発している場合、他の治療法を行う。まず、うつ病を軽快させないと、パニック障害の治療がうまくいかない。

  • (A)パニック障害
  • (B)パニック障害の再発





  • (C)自律神経ストーム
  • (D) PAG(中脳水道周辺灰白質)の亢進
  • (E)予期不安
  • (F)広場恐怖(1)
  • (G)広場恐怖(2)

    再発防止

     以上のような重層的な技法を毎日、実践することによって、前頭前野が活性化して制御能力が強まり、扁桃体、交感神経の異常な亢進を抑制することが実現していく。発作が起きず、予期不安が軽くなり、広場恐怖は解消」する。
     こうした抑制のきいた状況が、何年間か、持続すれば、潜在化した扁桃体と自律神経の亢進状況が、消失するのかどうかは、まだ、わかっていない。長期間の追跡調査が必要である。
     こうして、発作が起きなくなり、予期不安も広場恐怖も消失しても、まだ油断しないほうがよい。こうした、自己洞察法を実践していれば、相当のストレスでも、ふりまわされない集中力、制御能力が向上しているから、再発は少ない。しかし、人生上には、非常に大きな出来事がありうる。そうした時にも、ひどく感情的にならずに、切り抜けていくためにも、自己洞察法の実践は継続すべきである(面接は不要、自分で会得している)。そうして、再発防止の効果があるので、次のような、手法を学んでおけばよい。  うつ病が併存している場合や、うつ病だけの場合の、カウンセリングは異なる。