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自己洞察瞑想療法=SIMT
本 を 読 ん で
=本を読んで実践される方の疑問と解決
(#G-S1-06)呼吸法を長くできませんが?
3分とか5分くらいしかできないのですね。大丈夫です。 次の事例1をご覧ください。
はじめは10分できなかった人が30分できるようになった例
この人は、最初の2ヶ月は、毎日10分はできませんでした。しかし、あきらめてゼロにはしませんでした。毎日7,8分やりました。すると、3ヶ月目には13分できるようになりました。 そして、4ヶ月目には、急に飛躍的に伸びて30分できるようになりました。 この人は、治りました。
はじめの何か月か、10分前後しかできない人は、集中力のワーキングメモリ(作業記憶)(背外側前頭前野から帯状回)の機能が低下しているためではないかと推測されます。だから呼吸法を長くできないのです。こういう状況の人は、勉強や仕事も支障があるのです。勉強や仕事は、3,40分継続するものですから。
しかし、呼吸法をすると、背外側前頭前野や帯状回を使うので、この部分の神経細胞を興奮させるでしょう。リハビリテーションの原理です。毎日、呼吸法をするとここが動くので、3ヶ月もするとかなり神経細胞やシナプスが増加するのだろうと推測されます。
ひじの付近を骨折するとギブスで1ヶ月ほど固定します。1ヶ月たって、ギブスをはずすと、折り曲げることができていたひじが曲がりません。使わなかったから、機能低下です。リハビリで、痛くても折り曲げる訓練を1,2か月続けると、曲げられるようになります。機能の回復です。たとえ、メタファーです。
これと同様に、うつ病であった人が抑うつ症状が軽くなっても、 集中力、記憶力、企画力などが回復しない人がいますが、この段階で復帰して、通常の負荷のある仕事や責任ある役割を与えられると、仕事や勉強が出来ないので、叱られて、自分から嘆いて また症状を悪化させて抑うつ症状が現れます。再燃、再発です。
集中力、記憶力、企画力などが劣えている人、呼吸法が30分できない人でも、あきらめずに、毎日5分、10分続けていると、 前頭前野などの機能が回復してきて、呼吸法も長くできるようになり、半年、1年継続していくと、ほとんどの症状も回復してきます。 心理的ストレスによってなってしまったうつ病は、そういう経過を「たどります。瞑想、呼吸法は背外側前頭前野を動かすので、ここが回復してきます。薬物療法や認知療法が効果がなかった人でも試す価値があります。あきらめずに呼吸法をし続けましょう。
「治す」という長期の目的を持って、行動していく「意志作用」です。価値実現の反応です。つらくても、難しくても実践しましょう。