home
>自殺防止
>自殺の共通心理
自殺防止のために=10の共通心理を理解する
1.自殺に共通する目的は、解決策を探ることである。
「第一に、自殺はけっして気まぐれで、意味もなく、無目的な行為ではない。」
「その目的は、極度の苦悩を生み出し、本人が「危機と信じている」圧倒されるような苦痛に満ちた問題に対する解決策を探し出すことである。」
<そこで、支援方針>
「なぜ自殺をしなければならないのかを理解するには、解決しようとしている心理的な問題について知らなければならない。自殺の危険の高い人に尋ねなければならない質問とは、「一体何が起きているのですか?」というものである。」
(「シュナイドマンの自殺学」(金剛出版)36頁)
自殺しようという人には、「心理的な問題」がある。だから、その問題を理解する必要がある。うつ気味の人は、自殺のリスクが高いのだから、ただ薬を服用させるだけでは不十分であることがわかる。慎重に質問してみて、心理的な問題がなければ、薬物療法を試みてみても、よいことになるだろう。うつ気味になるのは(さらに、自殺したくなるのは)、背景に「心理的な問題」があるはずだから、それを質問によって、聞き出す。自殺防止の支援の第一歩である。
いじめ、就職できない、対人不和、貧困、身体の難病、育児不安、介護疲れなどがある。まれに、心理的な問題は全くなくて、理解ある配偶者にもめぐまれて「ただ、うつ病が治らないから、つらくて死にたい」という場合がある。この場合は、
内因性うつ病、身体因性うつ病
かもしれない。そちらの検査を行なう必要がある。
それでも、異常が発見されないとか、抗うつ薬で治らない場合でも、うつ病ならば、まだ、心理療法で、治る可能性がある。作用のしかたが、薬物療法と心理療法では異なるからである。抗うつ薬は「シナプス部位の「再取り込み阻害」の薬理作用であるが、心理療法は、縫線核の活性化や、前頭前野の活性化の作用が推測されている。