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自殺防止のために(9)=10の共通心理を理解する

9.自殺に共通する対人的行動は、意図の伝達である。

 「おそらくほとんど(80%)の事例において、自殺が差し迫っていることを示す明らかな言葉や行動に現われた鍵が認められる。(たとえ、両価的であったとしても)自殺しようとしている人は、意識的あるいは無意識的に、苦悩のサインを出し、無力感を弱々しい声で訴え、誰かからの救いの手が差し伸べられることを必死で願っている。」

<そこで、支援方針>
 「彼らは自殺のドラマの重要な部分である二者択一的な方法で、救出される機会を自ら差し出している。自殺に共通する対人行動とは、意図の伝達であり、一般には言葉や行動で示される。」
 (「シュナイドマンの自殺学」(金剛出版)42頁)
 自殺する前に、80%の人が、自殺するサインを見せる。言葉や行動で示す。「別れを言う」「死にたい」「消えたい」という。学校に行かない、会社に行かない。もちろん、もっと前に、うつ病のサインは多くある。不眠、疲れ、意欲・喜びの喪失、成績が下がる、身体症状がある。
 うつ病の症状と、自殺のサインを先生、生徒、家族、組織全員が、勉強しておけば、簡単に気づくはずのサインがある。
 少しつらい出来事があって、不快な思考が繰り返されれば、うつ病は誰でも、なる可能性があり、薬物療法では治らないことも多い。すべての人が、うつ病、自殺、見分け方、予防法、について勉強しておくべきだ。
 医者も当然に気づくべきだが、10分診療が多いから、発見できない。だから通院中に、自殺する人も多い。心療内科や精神科に通院しているから、自殺しないだろうと楽観してはいけない。
 精神療法家のうち、うつ病の治療に得意な者は、こういうサインがあれば、自殺しないで、他の選択肢をとるように、支援するように家族に助言をするだろう。