自殺実態調査:国立、私立校まで対象拡大
=文科省が方針
文部科学省は小中高校での自殺実態調査を、現行の公立校だけでなく、国立校と私立校まで対象を広げ、07年度にも実施する方針を固めた。
先月、国会で成立した自殺対策基本法は、自殺対策は国や自治体などの責務と明記した。今回の文科省の対応は、この流れを受けた国側の初めての動きとなりそうだ。
文科省によると、04年度の公立の小中高校生の自殺者は計125人。一方、警察庁の調査は暦年のため多少期間が異なるが、04年に小中高校生計284人に上っており、私立校や国立校でも自殺者が少なくないことが指摘されていた。
- (A)また、自殺問題を研究している専門家や学校現場の関係者ら10〜20人で構成する研究会を近く設置。小中高校生の自殺の特徴や傾向を分析し、例えば言葉や動作に出てくる自殺の予告兆候(サイン)をつかみ、それを見落とさず、適切に対処する方法などの研究が行われる見通しだ。
- (B)さらに、肉親や親しい人を自殺で亡くした場合の心のケアや、芸能人や有名人の自殺に影響された「連鎖自殺」の防止なども研究対象になりそうだ。文科省児童生徒課は「子どもたちの自殺を1人でも減らすため、何が出来るかをよく研究し、学校現場に情報を伝えたい」と話している。
(毎日新聞HPより 2006年7月21日)
自殺対策基本法が、自殺対策は国や自治体などの責務とした。全国的な観点から、こういう対策がとられると同時に、(A)(B)の研究結果、ガイドラインが出されたとして、それぞれの学校で、誰が、どのようにケアしていくのか、種々の困難があるだろう。子どもの自殺も、種々の背景があるだろう。一つがいじめである。加害者を特定して、加害行為をやめさせる対策をとる時、その加害しているとされる児童のPTAからの反発もあるだろう。誰が、どのような権限で遂行していくのか。
また、うつ病になってしまった子の治療も難しい。加害行為から離れても、うつ病が治らない場合がある。脳の神経に簡単には回復しがたい変調が起きてしまうらしいから。承知のとおり、あまり、ストレス状態にない環境で、薬物療法を継続しているのに、治らない人がいる。
とにかく、子どもの自殺の原因を知り、予防対策をとる資料になりそうだ。その結果を受けて、現場で、対策をとるのは、市町村であり、学校であり、地域住民であり、親だ。