薬物体験語り合う「断薬」ミーティング

 =薬物依存症を民間の智慧で治す試み、国支援

 刑務所や拘置所などの矯正施設で、薬物依存症患者らでつくる民間グループと協力し、薬物犯罪の受刑者が自らの体験などを語り合い、離脱に取り組むグループミーティングが広がっている。
 2004年に覚せい剤取締法違反罪で摘発された1万1832人のうち、半数以上の6717人が過去にも同罪で起訴されており、再犯率は刑法犯平均(13・8%)の4倍を超えている。
 これらを踏まえ、法務省は昨年度から、一部施設で民間自助グループを参加させたミーティングを試行してきた。さらに、監獄法を改正した「刑事施設受刑者処遇法」が今年5月に施行され、薬物依存症の受刑者に「薬物離脱プログラム」の受講が義務づけられたこともあり、本格導入した。
 これまでは、刑務官らが薬物の危険性を教える「断薬」指導が中心だったが、再犯率が高いため、法務省は今年度から、全国74施設のうち34施設で導入した。法務省は、受刑者が出所後も民間の援助で引き続き薬物離脱に取り組む効果に期待している。
 ミーティングは、受刑者とリハビリ施設「ダルク」の担当者らが参加。互いの体験を正直に告白し、聞くことで、薬物の恐ろしさや「薬物を断つ」決意を確認し合う。ダルクは、薬物依存リハビリセンターの英語の略(DARC)で、29都府県に45施設があり、約600人が入通所している。 (2006年8月18日 読売新聞HP)
 若い人が、家庭、学校、社会に、不満や苦悩を持つと、覚せい剤や麻薬に手を出して、やがて、非行犯罪を犯したり、再犯していると、就業がむつかしく、廃人、うつ病、自殺などの危険性がある。これも、早期に、治療する必要がである。また、薬物に手を出さないですむように、ストレスがあっても、無茶なことをせずに賢明な方法で対処してもらいたい。そういうところに力を注ぐのも、社会でしょう。この試みは、再発防止に、民間の智慧を導入したもの。民間の現場でやっている人々のどろくさい、地道な支援活動が効果を発揮することがある。
 アメリカでは、薬物依存症で刑務所にはいっている人々に、マインドフルネス心 理療法の実践を教えている。これも、効果があるのだから、「夜回り先生」、水谷修氏が取り組む、非行犯罪を犯さないで、オーバードーズ(精神疾患の薬物の過剰摂取)、リストカットで苦しむ子たちにも有効だと思う。