精神障害者の公営住宅単身入居の条件緩和
 =国土交通省の精神障害者のノーマライゼーション対策
 =だが、精神障害者の公営住宅単身入居進まない

 政府は10月に本格施行する障害者自立支援法で、障害者への相談支援を市町村に義務づける。
 国土交通省は、公営住宅の入居条件を今年に入って緩和し、知的・精神障害者が単身で入居できるようになった。病院や施設から出て地域社会で独立した生活を営めるようにするためである。
 ところが、受け入れの明確な基準がなく、審査に手間取って、実際の入居はなかなか進まない。
 知的・精神障害者は「自立して生活できるか判断が難しい」との理由で、単身入居が、認められていなかった。国交省は今年2月、障害の種別にかかわらず、単身入居を認める基準の見直しを行った。
 基準の見直しにあたって同省は、公営住宅を管理する自治体などに対し、隣人とのトラブルや病状悪化の際に、常時連絡できる支援組織や医療機関があるかどうかを事前に確認するよう求めた。支援組織は自治体が社会福祉法人やNPOに委託して整備することを想定している。しかし、全国的にまだ十分に整っていない。
 東京都が3月に抽選をした単身者向けの都営住宅には、約300室の枠に、精神障害者4人が当選した。都がこの4人が入居を予定している都営住宅のある区市に支援可能か意見を聴くと、「判断困難」と答えた自治体があった。結局、3人については、審査書類とは別にかかりつけ医の意見書も出してもらい、「1人で暮らせる」と判断した。
 一方、埼玉県は10月までの暫定措置として、入居条件に「介護なしで日常生活ができる」を加えた。軽度の精神障害者1人が8月から入居を始めている。審査では本人と面接、申立書に緊急連絡先も書いてもらった。「今後は、市町村のバックアップ態勢を見極めたうえで、できる限り条件を緩和したい」という。
 厚生労働省によると、精神病で入院している患者約32万人のうち、約7万人は、地域に受け入れ態勢があれば、独立できるとされている。このうち、約5000人が首都・東京に集中している。 ( 朝日新聞 9/22/06 夕刊 )
 この領域も、地域住民、NPOの支援が期待されている。精神障害者の社会的入院を解消して、普通に、地域社会で暮らせるようにする方針を打ち出した。家族がいえても、受け入れが難しいと思う家族も いる。再発、悪化させない自身が家族にない。家族と同居できにな障害者もいて、単身入居するには、支援体制が必要である。こうして、精神障害者の支援ができる仕組みが地域に求められている。女性のうつ病、介護うつ病、働く人のうつ病予防・自殺防止の仕組みも不十分だ。これまで、地域住民には、難しいと思われていただろう。だが、精神科病院だけでは、無理になってきた。これからは、薬物療法以外で、支援するNPO、地域住民が研究していかなければならない時代になった。公的支援機関や精神科病院と連絡しあいながらすすめていけば、対策はあるだろう。