いじめ防止の手法=「エンパワメント導入」大阪府教委

 大阪府教委は来年度から、大阪、堺両政令市を除く府内の公立小中学校約920校で、いじめ防止策として、暴力から身を守る力を引き出す教育プログラム「子供エンパワメント支援指導」を導入することを決めた。米国で生まれた「エンパワメント」(内なる力を引き出す)の考え方をもとに、ゲームやロールプレーイング(役割演技)などを通じて、暴力を防ぐコツを教える内容。
 プログラムは、府教委がNPO法人「女性と子どものエンパワメント関西」(兵庫県宝塚市)などと共同開発した。内容は「所属感」「境界線」「感情」「力」の4要素で構成。例えば「境界線」では、2人1組になり、ゲームなどで人には互いに踏み越えてはならない心身の境界線があることを認識させ、不快に感じた場合は「嫌だ」と意思表示したり、相手の目をしっかり見るなど、暴力を防ぐコツを伝授する。
 一方、「感情」では、花が開くイメージで行う呼吸法などにより、怒りを鎮めて暴力として爆発させない方法を教え、加害者になることを防ぐ。また自分や同級生の良いところや異なる点を見つけ合い、一人ひとりが大切な存在だと気づかせることなど、いじめ防止に有効な内容も含まれているという。( 毎日新聞 2006年11月25日 )