仙台市、大都市で初の高齢者うつ対策 団地で試行成果

 人口約100万の仙台市が来年度、大都市では初めて、本格的な高齢者のうつ対策を市内全域で始める。「具体策が分からない」と手つかずの大都市がほとんどの中、同市は住民健診などの活用で可能と判断、対策に乗り出すことにした。市内の団地での試行では自殺率が約4分の1に下がった。6月に成立した自殺対策基本法で、全国の自治体は自殺対策の策定・実施が義務づけられており、注目を集めそうだ。
 対策の柱は(1)うつの早期発見(2)訪問・相談などによる支援(3)普及啓発。
 市の住民健診受診者のうち65歳以上の人と、介護予防の拠点「地域包括支援センター」への相談者を対象に、抑うつ傾向などを調べる質問票で1次チェックをする。うつの疑いがあると判断された人を看護師が自宅を訪ね、2次チェックをする。
 うつ症状が見られた人については、精神科医と区の担当者、訪問看護師らが支援策を検討。精神科受診の助言
▽月1回の看護師による訪問
▽月1回の専門医による相談などの対応を取る。
 対応のために約50人の訪問看護師を養成する。

 03〜04年にうつ症状がある人のうち同意が得られた人を対象に訪問看護師が月1回、自宅を訪れるなどした結果、自殺を考えている人の割合は27%から11%に減り、抑うつの程度も下がった。04年の地区の自殺率は12と、02年の約4分の1に下がった。 (朝日新聞 7/18/06)

 これは、高齢者のうつ病、自殺の減少に効果がありそうだ。ここで指摘されているように、高齢者のうつ病には、孤独、喪失などにようものも多くて、薬物療法ではなくて、看護師などの訪問でも軽くなるのである。医者の薬物療法でなくても、治る。対人関係療法がこういう領域のうつ病を治す。看護師でなくても、支援できる。NPOやボランティアも、こういう支援をすればいい。何しろ、人材がたりない。
 この方式でも、リストカットする子、摂食障害、虐待、いじめ、暴行などがからんでいる場合や、働きざかりの人、主婦などのうつ病、自殺は、全く、対象外である。
 薬物療法を受けても、治らない人の対策も、この対策には含まれていあにだろう。まだ、検討すべき領域が多い。高齢者の対策として、期待できるが。