仙台市の高齢者うつ対策(2)

 朝日新聞で「患者を生きる」という連載記事が掲載されている。19日は、仙台の高齢者うつ対策の試みの2回目。
 うつを克服した女性(74歳)のケースを紹介。6つ年上の夫と二人暮らし。64歳の時、ひざを痛めた。このころ、近所の友達の夫も定年で家にいるようになり、妻たちが互いの家を訪問することは少なくなった。70歳ころ、親友2人ががん、一人は夫をがんで失った。自分もパーキンソン病になり治療を受ける身に。やがて、友達にあうことを避けるようになった。眠れなくなり、炊事もおっくうになった。
 そんなころ、東北大の高齢者うつ対策「鶴ケ谷プロジェクト」のチームに「軽度のうつ病」と診断された。 03年11月から毎月、看護師の訪問ケアを受けた。1回2時間。思うままに語り、看護師が耳を傾ける。05年になって、回復して、7月には治った。 (朝日新聞 7/19/06)
 このケースは、薬物療法よりも、看護師との対話によって、うつ病が治ったようだ。こういう高齢者の場合には、話をきいてくれる人がいれば、治る可能性は高い。薬物療法でなくても、うつ病は、対人関係療法でも治るので、この場合、看護師が話をきいてくれたので、一人で悩み続けず、治っていった。 うつ病は、そんな心理的な悩みでなることが多いので、副作用があり、止めるのを苦労する薬物療法よりも、支援者のカウンセリングで治していけるなら、そのほうがよい。再発防止の効果も高い。
 仙台の場合、看護師が訪問するが、それでは、人数が限定されるから、看護師でない人も、うつ病のカウンセリングを学んで、支援に参加すればいい。ただ、看護師ならば、健康保険の扱いにするのだろうが、他の人が支援するとなると、無給となるしかないのか。自治体が助成するか。活動資金が、苦労するところで、私どももボランティアの方には報酬を払えないから、ボランティアの希望者がほとんどいない。有給ならば、支援者がふえるだろうが、そういうわけにはいかない。やはり、第一に、収入のある専門家が、うつ病に効果のある心理療法を習得して、治して、自殺を減少させてもらいたい。
 ただし、うつ病は、薬物療法でなくても、看護師の訪問で、治せる。他の人でも、治せる。医者が不足しているのだから、うつ病、自殺問題は、医者以外の人が支援すればいい。うつ病、自殺防止の支援法の実践、研究ばかりをするから、当然、医者や看護師よりも、うまくなる。