子どもの自殺防止、学校の取り組み
<自殺防止対策>
子どもの<自殺防止対策>に取り組む学校が増えてきたという記事があった。( 2006年08月07日 asahi.com 記事)
いくつかの学校での、<自殺防止>の教育の例が紹介された。<自殺対策基本法>が制定されたのだから、他の地区の学校も取り組むべきだ。事例にはないが、受験のストレスや、いじめ」からも自殺があるので、そういうことも織り込むことも考えられる。
先立たれた苦悩伝える=長崎県東彼杵(そのぎ)町の彼杵中学校
7月3日、長崎県東彼杵(そのぎ)町の彼杵中学校の体育館。2年生約80人に向かい、同じ中2のときに父親を自殺で亡くした同町出身の児童施設職員、山口和浩さん(25)が、体験を語った。
自分を責め、偏見が怖くて父の死について話せなかったこと、01年12月、同じ苦悩を味わう人を減らしたくて勇気をふるい実名で体験を公表したこと、この春遺族の自助グループを県内で作ったこと……。
そして「落ち込んだとき、皆さん自身も周りの人も、一人で悩まない、悩ませないで下さい」と訴えた。
「命を大切にする教育」を充実させるよう各市教委などに通知=長崎県
長崎県では中高生の自殺が続いた。 県教委は、
「命を大切にする教育」をさらに充実させるよう、各市教委などに通知を出した。
8月17日には中学の生徒指導主事向けの研修で、山口さんと精神科医を招いて自殺について学んでもらう。
「もし自分が」擬似体験=東京都杉並区立和田中学校
東京都杉並区立和田中学校の藤原和博校長(50)は毎年秋、3年生の「よのなか」科の授業で自殺を取り上げる。「自殺抑止ロールプレイング」では、ビルの屋上から飛び降りようとしている生徒と、説得を試みる同級生の2人1組で対話し、ワークシートに書き込む。みんなの前で披露し、考える。
自殺のほか、うつについても教え、「自分で解決できる病気ではないから、必ず周りや医師に相談を」と伝える。
2時間目は「他人に迷惑をかけなければ自殺は許されるか」「末期がんに苦しむ母親の延命用チューブを外すのは是か非か」というテーマで討論。
「人とつながり合っている自分の命」を実感させる保健の授業=大阪府東大阪市立長栄中
「人とつながり合っている自分の命」を実感させる保健の授業を続けてきた。7月には教師向けの研修会で模擬授業をした。
「あなたが自殺するようなことが起こったら」と仮定して、ワークシートに、病院で遺体を確認した場面や、その後の卒業式で同級生を見たときの親の心境を書かせる。亡くなった自分と、親、きょうだいとの対話も想像して書き込ませる。
「異なる立場を疑似体験することで、支え合っている命に気づいてほしい。ただ、親が自殺した子や気持ちが不安定な子には、事前に授業の内容を伝えるなど細かい配慮が必要です」と、山下先生は話す。
( 2006年08月07日 asahi.com 記事)