殺人事件被害者の母自殺(被害者支援活動団体も)

 横浜市2000年10月に会社員MWさん(当時22)が殺された事件で、母親のKさん(当時53)が今月1日に電車にはねられて死亡していたことがわかった。遺書はなかったが、踏切には靴がそろえて置かれていたという。警察は自殺とみている。
 MWさんを殺したとして殺人などの罪に問われたH被告(28、中学時代の同級生)が、無期懲役が言い渡された昨年3月の横浜地裁の判決時に、父親に向かって「お前が迎えに行かなかったから娘は死んだんだ」と暴言を吐いたことがあり、啓子さんは心痛を受けていたという。
 一、二審の判決によると、MWさんは00年10月16日夜、駅から歩いて帰る途中、路上で中学時代の同級生だったH被告に車ではねられて失神し、近くの農機具置き場で首を包丁で刺されて殺害された。東京高裁も29日に、一審判決を支持し、穂積被告の控訴を棄却した。
 事件後、Kさんは心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、毎月カウンセリングを受けていたという。控訴審で、Kさんは「子どもを殺された親ほど辛く悲しいものはない。苦しさに耐えきれず何度も自殺を考え、箱根の山中を車で一晩中さまよった。自傷行為を止めることができなくなり、手首には20本以上の傷が残っています」とする意見陳述書を提出していた。 ( 2006年08月30日 asahi.com、朝日新聞 8/30/06 夕刊 )
 自死遺族の場合にも、つらく苦しいストレスから、うつ病になることがあり、自死遺族を支援する会が各地で支援活動をしています。

支援活動

 Kさんは、犯罪被害者遺族です。その苦しみは、悲哀、後悔、自責、憎しみ、裁判での想起など、PTSD、うつ病、さらに、自殺に至るリスクがきわめて大きい状況にあります。
 毎月、カウンセリングを受けていたようですが、こういう、厳しい展開の方の場合、もっと、回数の多い、きめこまかな心のケアが必要ですね。心の病気のカウンセリングという視点からの活動が重要だと思います。犯罪被害者支援組織があります。