自殺防止地域の活動=秋田県藤里 =サロンで悩み共有

 秋田県藤里町の「三世代交流館」。このロビーで、週1回のサロン「よってたもれ」が開かれている。月宗寺の住職、袴田俊英さんがコーヒーを入れる。町民がおとづれて、茶のみ話に花を咲かす。
 「心といのちを考える会」(会員28人)が運営。「自殺予防」にまとを絞った全国でも珍しい活動。袴田さんは、週末期ケアの活動も行なっている。  (朝日新聞 9/25/06) 読売新聞HPにも紹介されている。
 こういう場所があると、自殺を防止できるでしょう。
 私どもも、自殺防止センターの夢を書きましたが、こういう場所を作りたいと思っています。私どもは、うつ病を治すための積極的な心理療法をも提供するつもりです。うつ病、自殺防止の心理の学習、呼吸法、ストレスへの対処を強める脳トレーニング、軽運動、お茶を飲むコーナー、種々の悩み相談コーナーなどです。 薬で治らないうつ病、パニック障害の回復もめざす。認知症予防の脳トレも行なう。
 ボランティアの参加と場所が必要ですので、市民がボランティアとなってくだされば、 できそうです。まず、ボランティアが数人必要です。蓮田市または、周辺の市町に、作っていきたい。参加したい方、ご連絡下さい。蓮田市ではなくて、さいたま市でも、上尾でも、理解ある市から作っていけばいいと思います。
孤独感まぎらす「サロン」 なごやかな雰囲気で会話が進むサロン「よってたもれ」(秋田県藤里町の三世代交流館で) 秋田県藤里町役場の裏にある「三世代交流館」。毎週火曜日の午後1時半になると、地域のお年寄りが三々五々集まってくる。  サロン「よってたもれ」。一階の一角に設けられたカウンターやテーブルでコーヒーを味わい、よもやま話に花を咲かせる。若者が輪に加わることもある。  運営しているのは、住民団体「心といのちを考える会」。会長で住職の袴田俊英(はかまだしゅんえい)さん(47)は「夫や嫁、しゅうとの悪口でもいい。本音をしゃべり合える場にしたい」と語る。  秋田県は、人口あたりの自殺者が2004年まで10年連続で全国最多。青森、岩手県でも自殺は多い。冬は降雪で活動が低下し、日照量不足でうつ気分が増す、という雪国特有の事情も指摘される。  秋田県の最北端、世界遺産・白神山地のふもとにある藤里町は、人口約4300人。人口あたりの自殺者は県内でも多く、04年までの16年間に50人が自ら命を絶った。そのうち60歳以上は27人と半数を超え、3割台の高齢者人口比率に比べても多い。  深刻なのは、独居老人や夫婦2人世帯より、3世代や4世代で同居している高齢者に自殺者が多い点だ。  体の衰えで農作業や家事ができなくなり、「自分は家族の中で役に立たない存在」「ごくつぶし」という思いが増す。日中、息子夫婦は仕事、孫は学校でおらず、孤独感も強まる。  「家族の中で孤立し、その悩みをうち明ける友人もいない。人と人とのつながり方を、家族も地域も見直すべきではないか」  袴田さんと町民の有志約20人の、そんな思いが結集し、「考える会」は2000年10月、町の協力を得て発足した。  毎年、講師を招いて会員の勉強会、住民向けの講演会を数回ずつ開き、うつ病の特徴や治療法、周囲の人が心の不調に気づく大切さなど、自殺予防につながる様々な情報を学ぶ。町も、町内7地区で「出前講座」を繰り返した。  「よってたもれ」は、3年前から始めた。「火曜日の午後、ここに来れば必ずだれかがいる。『独りじゃないよ』というメッセージです」と袴田さん。  会員は、深刻な相談を持ちかけられることもある。「足腰が痛くて家事や農作業が思うようにできない」「嫁といざこざがあって……」。そんな時は、じっと話に耳を傾ける。  地域では長い間、自殺の話題はタブー視されてきただけに、「自殺予防」を掲げた会の活動には住民の反発もあった。しかしやがて、住民に変化が表れた。  【高齢者のうつ病の特徴】  ▽うつ病は一般に〈1〉落ち込み、暗く悲しい気分になる(抑うつ症状)〈2〉物事への興味や意欲が減る――が2大症状だが、高齢者の場合は、〈1〉より〈2〉が前面に現れることが多い。  ▽記憶力や集中力が無くなり、認知症と間違われる場合がある。うつ病の治療を受けると、物忘れなどの症状が消えることが少なくない。  ▽痛みや疲れ、不眠など体の症状を訴えることが多い。  (慶応大教授・大野裕さん監修) (2006年5月8日 読売新聞)