群馬県の自殺率、関東最悪
群馬県の03年の自殺は、562人で過去最悪だった。
県の人口10万人あたりの自殺(自殺死亡率)は28・1(03年)で、関東地方では最悪。全国でも悪い方から12位。全国的傾向と同様、50、60歳代の中高年男性の自殺が急増している。
また自殺死亡率は都市部で低く、農村山間部で高い傾向は全国と同じだが、県内では似た人口規模の自治体間で大差があるケースもある。
「県自殺防止対策会議」を設置
増加傾向にある自殺を食い止める方法を考えようと、県は「県自殺防止対策会議」を設置した。会議は県の委託を受けた8人で構成、1年間かけて具体的対策案(アクションプラン)作成や関係機関による協力体制確立について検討する。
8月3日の初会合では「『いのちの電話』への相談は年に約2000件、うち約13%に自殺志向がある」「30代と50代の自殺が増えているのが県内の特徴」「労働者のうつやストレス対策は広まってきたが、管理職や経営者への対策はまだない」――などの現状が報告された。
同課は「実態調査を行い地域の実情を比較するなど状況把握に取り組み、要因や対策を長期的に考えたい」と話している。(毎日新聞、05年8月6日)
県の設置要綱
県の設置要綱には次が述べられている。
全国での自殺者が年間3万人以上と高い水準で推移し深刻な社会問題となっています。
本県においても同様に近年高い水準にあり、厚生労働省の人口動態統計によると平成15年には562人と急増、全国12番目に自殺率の高い県となっています。
自殺者は、若者、高齢者、そして働き盛りの世代と多世代にわたり問題は深刻化しており、国においても、平成14年に厚生労働省の自殺防止対策有識者懇談会により「自殺予防に向けての提言」をまとめ、また、本年度から関係省庁横断による総合的対策に取り組むこととなっております。
このような中、自殺は個人の問題ではなく、社会全体の問題として捉える必要があることから、本県でも従来から取り組んできたうつ病対策等の精神保健福祉施策に加え、自殺防止対策に取り組むこととし、下記のとおり群馬県自殺防止対策会議を設置します。
今後、うつ病の早期発見から早期治療につなげていくとともに、地域で支える環境の整備及びアクションプランの作成等により、自殺防止対策を総合的に実践し自殺者数の減少に努めます。
(群馬県は対策の調査が始められました。埼玉県では、まだ、このような動きが見られません。数年後、最悪の順位が変わってしまうかもしれません。)