自殺予防地域の取り組み
秋田県4つの町でモデル事業=保健師・民生委員・一般人が自殺防止の活動で成果
秋田県の試み
秋田県は自殺率が最も高い。自殺を減らそうとして、秋田県は4年前から幾つかの対策を試行している。NHKで、それを紹介した。 「死にたい」と言っていた母親(72歳)に、その子ども夫婦は病院に連れていっていたが、悪化し、 自殺した。親の気持ちを汲みとれなかった、とい人。 秋田県は秋田大学医学部と協力してアンケートを実施した。その結果
10人に一人が「この1カ月間に死にたいと考えたことがある」
6人に一人が「うつ」状態と判断された
秋田県で、4年前からとりくんでいる自殺防止の対策は、
アンケートを実施して、うつ状態にある人をみつける
うつ状態にある人を保健師や臨床心理士が面接して、必要があれば、専門医を紹介する。
自殺防止を訴える学習会
ボランティアが高齢者を訪問して悩みを聞く。
こうして、モデルとなった4つの町では、自殺率が減少している。
テレビでは、幾つかのモデル事例が紹介された。
(1)横手保健所
保健師がうつ病の人、家族を保健所によんで、相談にのる。うつ病の患者に対する家族の心得を教える。他のうつ病の患者の人も、自分の気持ちを話す。苦しみをわかちあう機会になる。悩むのは自分たちだけではない。
(2)藤里町
保健師、民生委員、一般の人が、うつ病の学習会を行う。専門家を呼び、家族がうつ病の人に対する接し方を学ぶ。はげましてはいけないことを知る。
(3)NPO法人「蜘蛛の糸」
倒産の窮地に追い込まれ、自殺を考える経営者に無料で相談にのる。代表の 佐藤久雄(61歳)さん。自分で立ち直った経験からのアドバイス。
毎日、散歩をする。
孤独にならないように、なるべく人と話をする。
それを紙に書いてわたす。毎日、課題として実行してもらう。
防衛医科大学校教授・高橋祥友氏は「家族では問題が見えにくい。重症にならないうちに専門家に相談することが大切」という。また、種々の組織との連携、地域のささえあい、があれば、もっとよいという。フィンランドでも、自殺の減少に十数年かかった。日本も、数年で終らせるべきではない、という。
(注)
(1)NHK、2005年3月9日19;30 クローズアップ現代、「”自殺は防げる”地域の試み」
このように、薬物療法以外でのとりくみもうつ病の治癒・予防や自殺の減少に大きな貢献をする。4つのモデルの町以外にも展開していくべきである。そして、やはり、必要があれば「医者」を紹介するというが、その医者の体制を整備していくべきである。また、薬物療法が十分に効かない場合の代替策も含めて課題は多い。