報道にみるー苦悩の現場
自殺率高い医・歯学生
医者は、ストレスの大きい職業のようですが、医学部の学生も自殺率が高くなっています。
- 茨城大学保健管理センターの内田千代子助教授(精神科)の調査。
- 国立大学の9割にあたる88校のデータ。79年から00年の22年間の自殺者は979人。学生1万人あたり、1年あたりの自殺者数を比較した。
- 医学部、歯学部、獣医学部など6年制の学生の自殺が、4年制の大学より多い。
- 6年制男子は2.3人、女子は2.1人。
- 4年制男子は、文系が1.8人、女子は0.6人。
- 4年制男子の、理系が1.4人、女子は0.7人。
- この数値は、95〜00年であるが、それ以前も同様の傾向だった。
- 979人のうち、専門医の診断を受けていた人は224人(23%)。大学の保健管理部門が関与していた例は183人(19%)だけだった。
- 内田氏「医学部生らはカリキュラムが詰まっていて、医師へのレールから一度外れると、どうしていいか分からなくなりやすいのではないか」
( 朝日新聞、5/21/2004 夕刊 )
警察庁生活安全局地域課の「平成15年中における自殺の概要資料」によれば、医者の自殺者は、79人であった。医者はストレスの大きい職業である。
医大生は、学生時代から自殺率が一般の大学生よりも高い。しかも、医大生でありながら、自殺する前にうつ病ではないかと自覚し専門医の診察を受けていない。医大生も医者も自らのストレス、うつ病、自殺念慮について自覚し、対策をとるべきである。
大学の保健管理部門が関与していた例は183人(19%)もありながら、これも自殺されたのだ。医学部生(その親が医者であることも多い)でさえも、だ。
薬物療法を受けたのかもしれない。薬物療法が効かない人も多いので、医学生は特に薬物療法が効かない場合に、専門であるがゆえに治療の限界を知り絶望するのではないのか。
うつ病、自殺の防止法が現代医学では充分に開発されていないわけである。