うつ状態:中学生の4人に1人(静岡県)=厚労省調査
「うつ状態:中学生の4人に1人」という厚労省の調査結果が報道された。
(毎日新聞 2007年5月10日 )
中学生の4人に1人が「うつ状態」を示す。厚生労働省の研究班がまとめた調査結果。
調査は06年8月、静岡県内の公立中学校1校の1〜3年生計566人を対象に、国際的に使われている手法で実施。「生きていても仕方ないと思う」「独りぼっちの気がする」など18項目を質問し、「いつもそうだ」「ときどきそうだ」「そんなことはない」の三択から選ばせた。結果は、うつ状態、うつ状態でないのどちらかに分類される。
すべての項目に回答した557人(男子285人、女子272人)について分析した。
うつ状態を示したのは、−−−
- 男子が20.7%の59人
- 女子が28.7%の78人
- 全体では、24.6%の137人
主任研究者の保坂・東海大医学部教授は「いじめだけでなくさまざまな理由から子どもがうつ状態になっている可能性がある。子どもの自殺を減らすためには、担任教諭が1対1で子どもと話をするなどしてうつ状態に早く気づき、適切な対応をすることが重要だ」と話す。
政府は自殺総合対策大綱案(素案)の中で、人材養成を重点施策の一つとしており、学校現場の担任や養護教諭らの役割も期待されている。
05年の児童生徒の自殺者は、05年は小学生7人、中学生66人、高校生215人。
小・中学生の1割強が、うつ状態にあるという調査結果が、早くから発表されていた。次の記事にある。
今回は、2割と多いが、調査人数が少ないためか、それとも、地域の違いなのかわからない。だが、子どもの1割〜2割がうつ状態であるのは、日本全国の傾向であると言ってよいのではないだろうか。
子どものうつ病は、いじめによるもにだけではない。何でも、つらいことが強く持続するとうつ病になる。いじめ、級友・先生との人間関係、学業の不振、進路の悩み、重い病気、発達障害、両親の不和、虐待、失恋、ーーーー。
子どもの自殺を防止するには、
- (A)教師が生徒の異常に気づくこと。教師が、生徒を困らせることがあるので、うつ病について理解して、生徒をうつ病においこまないこと。
- (B)親が子の異常に気づくこと。親が、子どもを、うつ病においこまないこと。
- (C)学校と地域に、うつ病の治療のできるカウンセラーを育成すること。予防法を指導できる人を育成すること。
こういうことが必要となるが、政府は、人材養成を重点施策の一つとしているというので、学校現場の担任や養護教諭らへの教育、地域の人材育成も行なわれていくだろう。子どものうつ病、自殺防止対策は、医者による薬物療法では、とても、まにあわない。他の人材がとりくまないと、子どもの自殺は防止できない。
私どもは、大人のうつ病、自殺念慮の治療(心理療法)を行なってきたが、このような若い頃の傾向が変わらないままの人が成人してから、
うつ病、不安障害になっているようである。
早くから予防的な改善対策をすべきである。