「いじめられうつ病」を警察に調査依頼=奈良県
=いじめで中1男子がうつ病になった、警察に調査依頼
奈良県橿原市の中学1年の男子生徒(13)が、入学直後から約5か月間、携帯メールで中傷されるなど陰湿ないじめに遭い、うつ病になったとして、両親が警察に被害届を出して捜査していることがわかった。
学校側は5月にいじめを把握しながら、有効な対策を取れず、市教委にも報告していなかった。生徒は9月下旬から不登校になっている。
このため、生徒の両親は、いじめた生徒への指導を学校に要望したが、改善されなかった。学校は生徒と同級生との間に話し合いの機会も設けたが、いじめはなくならなかったという。
(2006年10月8日 読売新聞より)
児童がいじめにあって、学校が適切な対策をとらずにいると、いじめられている子は、うつ病になり、自殺することがある。過去、いくつものいじめ自殺が公表された。「いじめられうつ病」から「いじめられ自殺」に発展するおそれがある。そんな悲劇がわが子に起きてはならないので、父兄は子どもの様子を充分に観察して、いじめられているようであれば、学校に改善対策を強く求める必要がある。自殺しなくても、うつ病は治りにくい場合があり、なかなか、復帰できなくなることもあるので、「いじめ」「いじめられうつ病」を軽視してはならない。
加害者が多数の場合、学校は、加害側の父兄が多数であるとか、強い態度をとる父兄であるために、その思惑を気にして、充分な対策をとらないことがありうる。教師や校長の人格にもよるだろう。むつかしいことはわかるが、いじめられている子の父兄からは、いじめがやまないと困る。
学校が適切な対策をとらなかった(と親が訴えた)ために、自殺するケースがあり、その自殺原因の調査をする学校、教育委員会が、種々の思惑から、原因調査を充分にしなかったり、内容の公表をひきのばしたり、いじめの研究者からはいじめと認定すべきケースをいじめと認定しないことが起こりうる。
奈良県の場合には、自殺の前段階だから、まだ、対策がとれる。うつ病がひどくなると、自殺にいたることが多いのは、よく、知られたことである。自殺を防ぐには、いじめをストップする必要がある。薬では治らないうつ病の典型的な例である。
加害者の父兄、学校、教育委員は、当事者であるから、中立、公平な立場にたちにくく、調査には心理的な影響を受ける。いじめ認定にゆがみが生じる心理が働く可能性があるから、いじめの調査、対策に不服な父兄(被害者の)は、第3者に調査を要求する道があるべきだ。
その手段として、警察に告訴する方法をとったのが、奈良県のケースだろう。わが子の自殺を防止するために、それも一つの手段だろう。いじめ防止に、真剣さの度合いが、学校、教育委員によって、違うから、その対策、態度に不服な父兄がいじめ、うつ病、自殺の防止のための支援が不十分なところは、警察に依頼するのは、親として、やむにやまれぬことだろう。
北海道の件の場合、自殺の原因の調査には、警察は充分にかかわらなかったのだろうか。いじめが繰り返し起きている。不登校、ひきこもりの原因ともなる。児童、生徒の自殺の原因調査には、学校だけではなくて、警察が深くはいるべきではないのか。
文科省、警察庁で検討すべきではないか。