子どもの不登校、自殺
子どもの自殺
死にたい気持が長くあって、別なきっかけが引き金になることも

<うつ病を知らない子ども>
 眠れない、気分が悪く、意欲がなく、記憶が障害され、成績が下がる。種々の原因から、悩むと、つらくなって、抑うつ気分、視野狭窄、精神機能の不全、などが起きて、ひどくつらくなる。もっと、つらくなる。死にたくなるという症状もある。毎日、つらくて、「死にたい」と思っている。
 うつ病であることがわからない子どもにとっては、不可解な心理だろう。学校では、うつ病のことを伝えていない。家庭でも、教えていないことが多い。
 うつ病になっている子どもには、ただ「悩みがあれば相談してください」というのでは、「この妙な人格の変容が相談して治るわけがない」と思ってしまったら、相談もしないおそれがある。
 また、不安過敏になっている子も多い。予期不安をしばしば起こす。過呼吸もある。
<子どもがうつ病になる原因>
 いじめ、友達関係、成績、進路、健康、家庭不和、親の虐待、教師との関係、失恋、愛する人の死、など何でも、「思いどおりにならない」「つらい」という状況があって、打開不能と思われる時、うつ病が発症する。
 また、いじめ、対人関係、学業成績などに気をくばり、不安過敏になっている子も多い。予期不安をしばしば起こす。過呼吸もある。
 こうした抑うつ、不安過敏な状態では感情の制御、行動の制御ができないことがある。

<誰かが最後のひきがねをひく>
 そんな気持でいるところに、親、教師の叱責、級友のいじめなどで、ひどくつらい出来事があると、それがひきがねとなって、急激に自殺念慮が強くなる。場合によっては、殺傷事件になる。
 だから、うつ病になった原因とは違う出来事がきっかけで、死んでしまうことがある。たとえば、級友からのいじめで、うつ病になっていた子が、学校に来ないので、教師が家庭訪問して、激しい登校刺激をしたために、自殺することがありえる。
 不登校がちの子がうつ病になっていれば、親が激しい登校刺激をすると、自殺するかもしれない。また、不登校だった子、何かで悩んでうつ病(日本の子どもの5%から20%がうつ)になっていた子に、言葉でいじめや、親や教師の叱責、不注意な発言があると、それが最後のひきがねになって、自殺されるかもしれない。

<子どもの自殺を防ぐ>
 教師や親は、子どものうつ病と自殺のきっかけを理解しておかないと、最後のひきがねをひいてしまうことになるかもしれない。  とにかく、うつ病にならないようにすることや、うつ病になっているらしい子の発見と、やさしいケアをしてあげないといけない。子どもの中には、悩みをうちあけない傾向の子もいるので、どうすれば、支援できるのか、こういうことを理解して、対策をとる必要がある。