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がん患者と看護師(1)
=患者のうつと看護師の燃え尽き
がん患者と看護する人の、ストレスに自己洞察法が貢献できないか考えてみます。
種々の関係者がかかわる看護の現場
がんになった人の本人のストレスのほか、多くの周囲の人の絶望、希望、悩み、怒り、苦しみ、などが起きることの多いところです。がん患者、家族、看護師のストレスは、次のことによって起きるようです。(今回は、医師のストレスは、ふれません)
がんになる人は、多いので、(A)(B)は、すべての人に起きる可能性のある心理的ストレスです。(C)は、看護師の方の立場の心理的ストレスです。
- (A)がん患者
- がんと告知された時のショック、怒り。
- 治るのかどうかの期待、不安。闘病生活での感情。
- 治らないらしいとわかった時の、絶望、怒り、恐怖、不安。
- 家族の態度・行動への怒り、不満
- 看護師の態度・行動への怒り、不満
- 症状が改善しない
- 痛みのつらさ、痛みを訴えるのに、十分に痛みがとれない
- 抑うつ気分
- (B)がん患者の家族
- 家族ががんと告知された時のショック、怒り。
- 家族として治るのかどうかの期待、不安。
- 家族として治らないらしいとわかった時の、絶望、怒り、恐怖、不安。
- 患者につくしているつもりなのに、患者から向けられる怒り、不満
- 家族として医者や看護師の態度・行動への怒り、不満
- 患者の痛みのつらさをみる
- 患者が抑うつ気分になり、しずんだ様子をみて苦しむ
- 患者の家族がうつ病になる
- (C)看護師
- 患者が怒り、イライラをぶつけてくる。患者の苦に巻き込まれる。
- 患者に先に告知したと家族から不満をぶつけられる
- 「あんたじゃだめだ。あの看護師を呼べ。」と言われる。
- 患者からされるいやがらせ。
- 「症状が改善しない」と患者や家族から責められる。
- 治療をいやがる。患者のわがままで処置を拒否され。
- 患者の家族の態度に怒りを覚える。
- 「こわい」といわれる。「死んだらどうなるのか」とたずねられる。「死にゆく患者にどう対応したらよいかわからない」
- 患者の家族が、看護師に不満をぶつけてくる。
- 看護した患者の死亡による悲しさ
- 患者に自殺された悲しさ、罪の意識
- 職務上、特に直面するストレス
- ミスが許されない
- 患者の生命に直接影響する
- 医師や上司との人間関係
- 夜勤がある
- 同僚との人間関係
- 自分には、この仕事が向かないのではないかと思う