多発する「ヒヤリ・ハット事例」」あわや医療事故
=249施設で18万件 薬処方や管接続ミス
一歩間違えば医療事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」の報告が、全国249の医療機関から昨年1年間で約18万3000件あったことが、分った。(8月9日、財団法人「日本医療機能評価機構」)
全国には約17万5000の医療機関があり、同機構は「表に出てこない事例は相当数に上る可能性がある」と注意を呼びかけている。昨年1年間の報告数は、計18万2898件。
◆ヒヤリ・ハット事例の内訳
- 処方・投薬など=26.0%
- ドレーン・チューブ類の使用・管理=16.2%
- 入浴や移動などの「療養生活」=12.9%
- 療養上の世話=12.9%
- 検査=7.6%
- 調剤など=4.0%
- 手術=1.5%
◆具体的例
- 新生児が入る保育器の電源をいったん切った後で、再起動の手順を間違えたために保育器内の酸素濃度が下がった
- 天井からつり下げ式の点滴をつり下げる金具が患者の上に落ちた
- 全身麻酔の機器のトラブルで、手術中に患者の麻酔が覚めたために静脈麻酔で対応した
◆職種別
◆配属年数ごとに見ると、最も多い1年未満(24.8%)から3年目までで全体の約半数を占めた。
◆医療事故に関する調査では、報告義務がある272の医療機関のうち、176施設から計1114件の報告があった。
◆発生原因では、「確認が不十分」(26%)、「観察が不十分」(13%)など、基本的なミスによるものが目立った。
(2006年08月10日朝日新聞 、asahi.com、 読売新聞HP)
ヒヤリ・ハットが重大な場面で起きると、患者を死なせてしまうことが起きる。
看護師で、1年未満から3年目までが多い。慣れないことで、緊張が多い仕事の連続で、患者の扱いに感情的になったり(うまくいかない、嫌だ、など)、疲れも多いだろう。感情におおわれていたり、疲れたりすると、「注意」力が衰えることがわかっている。医療関係者も、感情処理、注意力強化、リラクセーションの効果のある、呼吸法を毎日、実践していただいたらよいのだが。