報道にみるー苦悩の現場
診療所院長が自殺=C型肝炎感染源?
- 埼玉県F市の診療所の院長(61歳)が自殺。
- 急性C型肝炎に集団感染した12人のうち11人が受診し、感染源とみられていた。点滴の際、器具を使いまわししたため感染がひろまったとみられていた。
- 6月1日に、自殺。遺書はなかった。
- 以上、朝日新聞、6/05/2002
- これに先だって、この診療所が感染源らしいとの報道があった。
- F市の集団感染を県が調査していた。この診療所では特定の点滴液を点滴する際、点滴チューブトボトルを一人ごとに使い捨てることをせず、同じ器具を複数の患者に使うことがあった。
- 退職した看護師が証言し、院長も使い回しを認めている。
- 時期や理由、院長が当時から認識していたのかどうかなどについて調査を進める。
- 県の「健康福祉部次長は「信じられない行為だ」と厳しく批判している。」
- 朝日新聞、5/29/2002
(評)
- これをご覧になる方が、病院関係者なら、器具の使い回しがないことを、ただちに、点検をお願いしたい。年に何回か、時々、看護師、医師に注意をうながすべきである。使い回しで感染する病気が多いのだから、こういうことは絶対にやめてもらいたい。わずかな、費用をけちって、重病を感染させて、患者を一生苦しめる(C型肝炎はまだ、完治する療法が開発されていない)エゴイズムは、絶対にやめてもらいたい。
- 自殺されたのは、この問題がわかってから、悩んだ末に、「うつ病」にかかっておられたのではなかろうか。しかし、医者であるから、自殺したくなったのは、ご自分が「うつ病」におちいったと思いつくはずではないのか。それとも急速にうつ病になった場合、医者に、そういう病識でさえ、麻痺させてしまうのか。いずれにしても、仕事、対人関係などで、悩んでいるような人がいる場合、家族が充分「うつ病」、自殺の危険性を考えていなければならない。