報道にみるー苦悩の現場
狂牛病検査の獣医が自殺
国内四頭目の狂牛病(BSE)がみつかった。
その前に目視などの検査をした女性獣医(29歳)が自殺。
「見逃したのは、獣医師として許されない行為」というメモが残されていた。
- 11日、北海道のある町で飼育されていた牛が狂牛病(BSE)に感染していたことが確認された。
- その前の10日、その牛が食肉処理場に運ばれた際に、その医師は、目視などの検査を担当した。左前脚に神経症状があったが、BSEとは判断しなかった。牛は隔離された後、食肉処理に回された。
- 12日、医師が自殺。
- 「道庁などによると、隔離されたことで感染牛の各部位が残り、今後のBSE研究に役立つ結果になったという。」
「病理検査に回した方がよかったと思い悩んだのではないか。検査は適切で、本当に残念だ。」
朝日新聞、5/14/2002
(評)
- 悪事を働く巨悪が自分で反省もせず、しぶとく生き残り、誠実な人が、自分を責めすぎて自殺していく。これが日本に多い。
- 誰でも、ある出来事で、うつ病となり、自殺する可能性があります。特に、誠実、責任感の強い人が、その可能性が高い。
- この医師は、自分の生命をあがなうような悪事を働いていないことは、誰でも認めるはずです。つまり、自殺してはならない人です。こういうふうに、誠実で責任感の強い人だから、長く活動していただきたい人なのです。
- この方は、BSEを確認されてから、わずかに、1日で自殺されました。こんなに短期間に「うつ」になるのでしょうか。うつ病でなく、覚悟の自殺(三島由紀夫のような)もありますが、発作的でもないような気がします。悩んでおられたからです。人間の心は微妙です。
- このHPをご覧になった方は、ご自分、ご家族も、こういう急な自殺もあるということを尊い教訓としなければならないでしょう。大きな苦悩をかかえているようであれば、よく注意して、医者にみせて下さい。
- 誠実、正義感の強い人、内気な人、傷つきやすいと思う人、あなたも、大きな出来事、大きな苦悩をかかえると、うつ病になるおそれがあります(精神医学で、そういう傾向の人はなりやすいということが判明しています)。自分を責めすぎないようにして下さい。ありのままの現実を受け入れられるように、禅のような生き方にも目を向けてください。