働く女性を襲う”うつ”
=女性のうつ病・NHKテレビより(3)
「女性のうつ病」を、詳しく、放映しました。
女性のうつ病について、予防や治癒のためにヒントとなることがありましたので、いくつか、コメントいたします。
今回は、薬物療法でも長く治らない場合があること。治療を開始しても、自殺のリスクは、解消しておらず、強いストレスで自殺をはかることがある。改善のために、小さな行動を積み重ねること。
責任の重い役職で「うつ」に
今、30歳、4年前にうつ病と診断された。まだ、治っていない。夫は、うつ病に理解がある。
卒業の後、就職。24歳で結婚。やがて、うつ病になった。きっかけは仕事だった。責任の重いポストに抜擢された。仕事も家庭もがんばってきた。期待にこたえようと無理を重ねた。
それで、うつ病になった。しばらく休めば、職場復帰できると思っていた。
しかし、一向によくならなかった。家事もできない。
3年近くたったある日、会社から連絡があった。「あと半年で、治らなければ、やめてもらいたい。」という。その日、薬をかきあつめて、自殺をはかった。夫がすぐ気がついて、救急車を呼んだ。幸い、命は助かった。
小さなことを実践
そんな彼女は、インターネット上の「うつ主婦クラブ」の伝言板をみて、救いになっている。
どんな小さなことでもいいから、実行して、自分をほめようという助言がある。医者のすすめではじめた10円玉貯金も実行している。ちょっとでも、できたら、貯金箱に、10円を入れる。
積み重ねてきた「小さな喜び」。4年になるが、まだ、治っていない。うつと向き合う日々が続いている。
これが、2つめの例である。4年になるのに、薬物療法で治っていない。
- 休職中に、解雇の連絡があった時に、自殺未遂をとげた。うつ病の人は、治っていない限り、強いストレスがあると自殺するおそれがあることを家族が理解しておくべきである。
- 何でも、小さなことを実行するというのは、私どももすすめている。「行動活性化療法」に通じるもので、うつ病の改善に効果がある。
働く女性が、うつ病になるのは、家庭と仕事を両立させようとして、無理をする、期待にこたえて、質の高いことをしようとして、うまくいかなくなって、「つらい」「不満足」「もう限界だ」という状態を感じるようになると、うつ病になる。
この人の夫が理解ある人で、やさしく見守っていて、行動活性化の手法を用いているので、少し改善しているようだが、それにしても、4年たっても治らず、長くかかっている。カウンセラーがもう少し、積極的な助言をしていけば、よくなると思う。呼吸法などもいいのだが、カウンセラーの指導なく、一人では、継続しにくいかもしれない。
うつ病の治療に得意なカウンセラーを探して、カウンセリングを受けていただきたい。どうも、医者のみしか治療しないと思い込んでおられる人が多いようである。うつ病は、薬物療法で効果がなくても、認知療法、対人関係療法、行動活性化療法、マインドフルネス&アクセプタンス心理療法(アメリカ)、そして、私どもの自己洞察瞑想療法で、治ることがある。それを、知っていただきたい。
(続)