女性の”うつ”の相談

 =女性のうつ病・NHKテレビより(6)
 2月16日、NHK教育テレビで、「女性のうつ Q&A」を放送しました。 女性のうつ病について、周囲の人はどうしたらよいかを中心に、質問、悩みに答えるというものでした。予防や治癒のために、参考にしましょう。

妻と夫

 総じて、夫婦関係・役割を見直すということ、「心理的再婚」ということだという。

 こういう見直しも、他の事例にも、考え方の変更が求められている。こういう助言には、時間をとるので、カウンセラーを置いていない病院では、そういう助言は行わない。本人だけでは、気がつきにくいので、相談機関やカウンセラーの助言を得るとよい。結局、認知の修正である。簡単には、考え方を変えられない場合や、長引いて、抑うつ症状が改善しないと、認知の変更が難しい。
 事例1,4は、薬物療法を受けているのに、長引いている。こういう場合には、薬物療法では効果がないのだから、心理療法など他の療法を試みてほしい。
 夫の中には、うつ病のなった妻を大きな目で、ささえることができない人もいるから、長引いていると、不満が嵩じて、病気の妻を責めて、離婚を要求することになる。最初は、理解しているつもり、家事も手伝っているつもり、ささえているつもりでも、妻の否定的解釈、逆説的な受け止め方に、とまどい、ながびいていると、不満の感情がまさるようになるおそれがある。夫が、外部で、ストレスにあっている場合、妻への共感、理解を示すこころのゆとりがなくなって、感情的になりやすい。
 不満の感情を抑制、コントロールできなくなってくりと、妻を批判する行為が多くなり、離婚を要求する行為となる。妻の病気は、もっと悪化する。うつ病の発病と維持は、否定、嫌悪、不満などの思考によって起きる陰性の感情を繰り返すからである。病気になってからも、陰性の感情が繰り返されるならば、治りにくい。夫が、感情・情動をコントロールできること、病気の相手でも愛することができる度量の広さ、愛情の深さによって、うつ病の夫婦関係が異なってくる。

他者との人間関係

 夫の両親との人間関係から、うつ病になる例は多い。彼らが、嫁に不満をぶつけるからである。それを受け止められないくらいに、義父母の干渉、批判、攻撃が繰り返されるならば、別居すべきで<ある。夫が、それを受け入れないような理解や愛情のうすい夫の場合には、妻のうつ病は治らない。「価値・願い」を再考すべきである。
 事例7は、学生のようだが、うつ病になって一人でいるのは、自殺される危険性がある。1、2年の休学をおそれると、それこそ「認知のゆがみ」で、長引いたり、自殺されたりして後悔することになる。実家で、静養しながら、治療したほうが早いだろう。学生がうつ病になるのは、ストレスがあったからであり、薬物療法だけでは、治りにくい。軽くなっても、「また、あのストレスが、待っている。」と思うと治りにくい。心理療法によるカウンセリングを併用すべきである。
 実家に帰れないと思うならば、その親子関係の修復も大切である。そこも、カウンセリングが必要である。
 事例8。医者が、患者にストレスを与えるのは、よくない。診療時間が短いから、そういう患者の心理も気がつかない。こういう状況では、うつ病は、治りにくい。うつ病は、心理的ストレスから起きることが大部分であるのに、医者からもストレスを感じている。医者を信頼できないということは、否定的思考を起こすのであり、うつ病を悪化させる。患者側の受け止め方が悲観的、否定的に解釈する場合があるから、率直に、自分の考えを伝えてみる。もし、それでも、患者が、つらく思うならば・・・