主婦のうつ

 5月3日、NHK教育テレビで、「主婦のうつ」(福祉ネットワーク)を放送した。
心療内科医の海原純子さんも、10年以上前に、クリニックを開設したころ、顔面神経痛、帯状疱疹、顔の皮膚病などが起きたという。
 TVは、田中政子さん(仮名)30歳、のうつを紹介した。今も、抗うつ薬や精神安定剤を服用している。この内容は、以前に、次の記事でご紹介した人を、もう少し詳細にした内容であった。  彼女の場合、夫が病気を理解して、ささえてくれている。それでも、ここ(家庭)にいる資格がない、と自分を責める。子供のない彼女は、友人から子どもの写った写真の葉書が届くと、傷ついた。親族からは、子どもはまだか、と言われると、つらい。
 3年目に、会社からの解雇のおどしのあった夜、自殺をはかった。(このように、うつ病が長引いていると、大きなストレスがあれば、自殺を決行するリスクをかかえている。)
 回復への足取り。自殺未遂から1年あまり、少し回復している。以前は、夫が帰ってきても、寝ていたが、今は、ごはんをたけるようになった。「うつ主婦クラブ」というインターネットのホームページにささえられている。「自分をほめる掲示板」が気にいっている。小さなことをできたら、自分をほめる。その小さな達成感を積み重ねる。このホームページには、小さなヒントが紹介されている。
 病状は、今も、一進一退。医者がすすめてくれた「10円玉貯金」。コーヒーを入れたら、10円入れる。だいぶん、たまってきた。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  ここで行われていることは、うつ病に効果があると行動活性化療法で確認されている方法に近い。そのほか、前頭前野を活性化するような行動を少しづつ行っていくと、効果が早く現れる。朝起きる、散歩する、ゆっくり呼吸をする、喜びをもたらす小さなことをする、などである。もちろん、否定的思考、嫌悪的思考は、うつを深めることを理解して、それをストップすると、もっと効果がある。
 この人の場合も、4年たっても完治していない。長すぎる。パニック障害も薬物療法では、なかなか完治しない。そのホームページには、多くの人が自己紹介している。薬物療法で治っていないから、専門家(医者、臨床心理士)でない、しろうとの人が、ホームページで支援している。おかしくないか。私も、もともと専門家ではない。なぜ、専門家が治療できないのか。日本の精神医療の遅れ。