キャリア・ウーマンのうつ病
7月24日(2006)、午後、NHKが、「女性の”うつ”」を放送しました。女性のうつ病の実情について、理解するのに、よい番組でした。
まず、紹介されたのは、鈴木美奈子さんの産後うつ病です。これは、次の記事でご紹介した方です。
次に、萩原流行さん・摩侑美さんご夫妻の”うつ”闘病体験が紹介された。これは、大体、次の記事でご紹介した内容でした。「うつと診断されて20年」というテロップが出た萩原摩侑美さん。
3番目は、キャリア・ウーマンのうつが紹介された。育子さん(34歳)。今回は、この方の場合を簡単にみておきます。(NHKの内容を要約)
うつ病になったのは、31歳のころ。ばりばり働くキャリア・ウーマンだった。毎日、ベッドで寝てすごした。もう、外sの世界に戻る日はないのではないかと思った。
大学時代アメリカですごした。大学院でMBA取得。そして、外資系の会社に就職。マネージャーに昇進。会社が合併、社員が減らされた。給料はあがったが、仕事はいきつくひまもないほど忙しくなった。家に帰ると、空しさを感じるようになった。仕事を楽しむことがなくなった。何のために働くのか。会社の同僚は、みな独身。このままでいいのか。さびしい、孤立したように感じていた。31歳、微熱が続くようになった。仕事がはかどらなくなった。
心療内科で、うつ病と診断された。休んだり、それをとりもどそうと、必死に出勤。だが、仕事に、ミスが多くなり、同僚から、休職をすすめられた。
今、再就職をめざして、勉強中である。
女優の高木美保さんも出演して、パニック障害と「うつ病」について語られました。
番組には、薬を服用しているのに、4年、8年と治らず、周囲からは怠け者とみられている、という投書がたくさん紹介された。
「どんな治療がありますか」という質問に、
- お薬を飲むこと
- 休養をとること
- どんな病気であるかを理解すること
この3つだと思います、と、お答えがありました。
今回の、ながびくうつ病には、そぐわない心得だなと感じました。なぜなら、紹介されたケースは、この3つでも治っていない場合があり、テロップでも、長いこと治らないという人が多く紹介されていたからです。
テレビを見ていた人の中で、この3つを行なっていても、ながびいている人は、悲しく、失望されたでしょうね。
最後に、「認知療法みたいなものもあるので、利用していただけるといいと思います。」といわれましたが、まだ、薬物療法を受ければ治るような内容なのですね。もう、薬物療法で治らない人が、声を大きくあげなければならないのではないでしょうか。
この後、奥山さん夫婦の例が紹介された。奥山あいさん、うつ病になってもう6年。よくなったり、悪くなったりの繰り返し。夫のとおるさん。ふとんをほし、子どもの朝ごはんを用意してから出勤。子どもは6歳、小学校に通うようになった。
出産、子そだてでうつ病になった。治らなかった。
夫は、パートナーとして、ささえるのは当然だと理解してきた。だが、夫は店長に昇進、忙しくなって、家事の手伝いが少なくなった。
子どもが、遊んでほしいと寄ってくるが、疲労感が激しく、横になる。夫の気持ちをはきだすところがどこにもない。夫婦がぎくしゃくしてきた。とおるさんも、頭痛、倦怠感。仕事でも、ミスが続くようになった。うつ病と診断された。休職。
とおるさんは「距離を置こうか」と提案。とおるさんの言葉で、おくさんが自殺未遂をしようとしたことが何度もあったからである。おくさんは反対。答えは、まだ、ない。
この、お二人は、うつ病がひどい状況がつづいている。
(続)