「介護に疲れ」母や妻を殺害
介護は、ストレスが大きい作業である。介護に関連して悲劇が起きる。
- 介護に疲れて71歳の母を絞殺
東京都の無職の男性(44)が、母親を殺したと自首した。「介護に疲れてました。自分には職もなく、将来が不安になりました」と供述。母親は、病気などで寝たきりの状態が続き、彼が一人で介護していた。(朝日新聞 1/21/06 )
- 介護に疲れて妻殺害、執行猶予判決受けた夫が自殺
認知症の妻(当時74)を自宅で介護していた夫(68)は、症状が悪化して夜中に苦しむ妻の様子をみて不憫に思い、殺害して、自首した。(昨年7月、名古屋)
夫は殺人罪で起訴されたが、1月25日、情状酌量で懲役3年執行猶予5年の判決を受けた。その人が、1月29日、自殺した。(朝日新聞 1/31/06 夕刊)
- 介護に嫌気、義母を殴り死なせる
愛知県の男性(66)が、1カ月前から預かっていた認知症の義母を殴って、酒を飲んで寝た。仕事から帰った妻(60)が、帰宅してぐったりしているのに気がつき、消防に連絡したが、深夜に義母は死亡した。義母は、ほぼ寝たきりだったが、容疑者が介護していた。「義母の介護に嫌気がさして殴った。」(朝日新聞 1/18/06 )
介護する人は、ストレスによって、なかば心の病気(うつ病に近い)のような状態になるようだ。ふだんはしないような犯罪を犯す。ストレスを受けるということは、心理状態としては、陰性の感情(怒り、ゆううつ、不満、不安など)を繰り返し起こすことになる。
2番目のケースは、殺害したことを苦にして、うつ病になっていたのか。
一人、孤立して、介護していると、同種の事件や心中がおきている。こういうことが起きないように、親族や地域の支援を強化できないのだろうか。まもなく、私も介護する身か、される身になる。他人事ではない。