老々介護の心中

 また、同様の事件です。80歳妻が変死体で発見されて、歯科医の夫は、軽井沢の別荘で自殺していた。書き置きに「妻を殺した。看病に疲れた」と書かれていた。警視庁は歯科医が妻を殺害した後、自殺したとみて調べている。(毎日新聞 2006年3月6日)

 介護疲れによる「うつ」からの心中と思われる。うつにならなければ、種々の支援を求めようという建設的な思考ができるし、自殺はしないだろう。遠くに子どもがいても、子どもには、家庭や仕事があって、遠くでは、介護はできない。結局、老いた配偶者が介護して、疲れる。うつになる。
 そうならないうちに、ホームヘルパーなど、地域での近い人の支援を受ける対策をとるべきである。かねてから孤立せずに、相談できる人、友人を持っていたい。その時からでも、遅くはないが、うつになってからでは、支援を求めるという思考さえも、出てこなくなるかもしれない。疲れがひどくならないうちに、状況を察知してもらえる地域のつながりの必要性を感じる。私の住む町も、新興住宅地であり、どちらかが、寝込んだら、どうなるのか。