長い闘病疲れ・無理心中=埼玉

 8月19日、早朝、埼玉県坂戸の嘱託職員Mさん(63)とその妻Yさん(58)が死亡した。同居している長男(34)が発見。「女房を連れていく。申し訳ない」とMさんが書いた遺書がみつかった。警察では、MさんがYさんを殺害した後、自殺したとみている。
 Yさんは病気がちで入退院を繰り返しており、長男に「死にたい」と漏らしていた。(8/20/2006、朝日新聞 埼玉版)
 妻の長い闘病で、夫がうつ病になったのだと思われる。「日常いらだちごと」による「うつ病」の典型のようだ。患者本人も、うつ病になるが、その配偶者もつらいので、うつ病にになる。
 長い闘病、要介護の家族が、うつ病になり、心中、殺人が多い。そういう人を、もう少し親密に支援する仕組みがほしい。現在の医療では、こういう長引く病気の人に抗うつ薬を処方しても、治る保証はない。家族の支援も現在の医療制度では、考慮されない。介護、長い病気、そこには、本人と家族の自殺、心中のリスクが高くなっている。支援の仕組みが弱い。
 せっかく、社会のために貢献してきた中高年の人が、長い闘病、介護の疲れで、うつ病になり、心中するとは、あまりに悲しい。福祉国家とはいえない。