変わったデイサービス
朝日新聞(9/18/06)の社説で、変わった方針のデイサービスセンターを紹介した。
「夢のみずうみ村 山口デイサービスセンター」。
職員が準備した歌をみんなで歌ったり体操したりといった多くの施設で目にすることは、ここでは見られない。
-
その日をどう過ごすかは、100以上ある活動メニューから利用者自身が決めるのだ。
- パソコン、プールでリハビリ、料理教室でちらしずし作り、
ごろ寝、ぼーっとしている、・・・・。
- 昼食はバイキング。手足が不自由でもお盆を持って列に並び、自分で取り分ける。職員は、どうしても助けが必要なときに手を添えるだけ。
- 車いすは、できるだけ使わない。建物はバリアフリーではない。
手すりがない。利用者は、タンスにつかまりながら、そろそろと歩く。
- 利用者は、1カ月ごとに動作や体調を調べて成果を確かめる。ほとんどの人の要介護度が改善する。
- 特技を持った利用者が講師になって、講師になれば、報酬が払われる。
- やる気が起きる工夫が、ほかにもある。職員が洗ったお茶わんを自分で片づけると、施設内だけで通用する地域通貨がもらえる。
「あれもこれも、とお世話を重ねる足し算の介護よりも、残っている力や意欲を生かす引き算の介護に目を向けたい。」
これは面白い支援方針です。身体(この場合は、手足の筋肉の神経などだ)は使わなければ、萎縮する。ここでは、職員が手を出さず、できるだけ、本人が自力で動く。
うつ病や不安障害についても、似たような治療方針が効果があるようだ。精神疾患の患者は、脳神経の一部の細胞が使われなくなっている。心の使いかた、行動意欲など(これは、脳神経の細胞だ)において、避けている(そうすると、いつまでも、回復しない)ことを、努力してやってもらう。そうすると、治る。朝起きられないという人は起きてもらう。人にあいたくないという人は、理解ある家族や、スタッフに会う。身体をうごがしたくない人には、散歩、軽い運動をしてもらう。逆に、使いすぎて過敏になっている精神機能は、抑制してもらう。
そういうことが指導員のもとで、できるようにするために、精神疾患についても、デイサービスを提供する場所を作れば、治るひとがふえるのは、まちがいない。朝日新聞で、ごく少数の病院における復職プログラムを紹介したが、それでも、効果があることがわかる。だが、保険がきかないから、実際には、実現が難しい。毎日、安くで使える施設を自治体などが提供したり、ボランティアが必要である。そうでなければ、高い利用料になる。県や大都市に数箇所、作れないか。自治体の理解次第だ。