ニート(3)「自分の夢にあう仕事がみつからない」(自己愛タイプ)
ニートのうち、自己愛タイプで、就職しない場合である。自己愛タイプの特徴は、次のようである。
- 自分は卓越した能力をすでに持っているという自己評価が高い。
- 「こういうことをしたい」「こうなりたい」という大きな夢(現実離れ)を持つ。
- しかし、その実現に向けて、地道な努力をしていない。
この心理傾向が強いと、就職する前は、不安をもち、就職活動にのりださない。
薄々と、自分の過大評価であって、実際に社会に出れば思ったようにはいかないかもしれない、現実にはひどい目にあうかもしれないという恐れを持っていて、就職活動をしない。自分の夢以外の仕事にはつこうと思わないで、就職範囲が制限される。その実現に向けての、勉強などをするわけでもない。
いったん、就職できたとしても、対人関係が悪化して職場から離れていく。
自己評価が強いために、ルールに縛られる必要はないとか、周囲の人を軽蔑したり、こんなつまらない仕事は自分にふさわしくないなどという信念から、他人との関係を乱すような言動をするので、周囲の人が離れていく。それを、自分がすぐれているので自分をねたんでいるからだという不信感を持つので、対人関係が悪化して、仕事を継続できなくなる。
「自分さがし」「自分らしさ」を求めて、次々と仕事以外のことをしているのも、背景には、似たような心理があるだろう。はっきりした目標ではないが「ユートピア」を夢としている。現実の自分、現実の場所をみずに、「自分、ここ」ではないものを求め続ける。
自己愛タイプは、実現したい夢を持っているのだから、それが実現可能であれば、それに向けて少しづつ努力をするようにし向けるカウンセリングが奏功するかもしれないとして助言するだろう。自己評価の強すぎるところ、他者を尊重することの大切さに心を向けるなど、「認知の修正」が必要であろう。