引きこもり支援NPO職員が逮捕される

 引きこもりなどの若者の自立を支援するNPO法人の名古屋市の寮で、入寮していた東京都世田谷区の男性(26)が死亡した事件があり、同法人代表理事や 職員が逮捕された。

 ひきこもりは、多様な原因で起きている。家庭で暴力をふるう場合でも、心の病気による場合もあるのに、無理やり監禁されるような仕打ちを受ければ、さらに傷つき、そんなところへ追いやって、ひどい目にあわされたと、家族をもっと恨むようになりかもしれない。境界性パーソナリティ障害の場合にも、暴力を振るう場合もあるが、若いころ、虐待されたたり、愛情をそそがれなかった場合が多いという。もし、施設で、監禁、暴力された人の中に、そんな人がいれば、親をもっと信頼しなくなるのだろう。親は監禁する施設とは知らずに、預けたようだが、子どもの心は、さらに傷ついたかもしれない。
 「ひきこもり」に対して、社会が有効な対策をとってこなかったために、心理療法の学習もしていない人が、強引な方法で、治す試みをしているわけだ。
 暴力を振るう人がすべてではないが、境界性パーソナリティ障害にも、そういう症状がある場合があるが、境界性パーソナリティ障害は、アメリカでは、患者を監禁や脅しなどするはずがなく、ちゃんとした心理療法である「弁証法的行動療法」(リネハン)で、治しているという。日本は、いつになったら、ひきこもりに効果ある心理療法を駆使して治す施設ができるのだろう。多くの家庭で、本人も、家族も苦労しているのだろう。
 NPOは、官庁や企業が提供しないサービス、支援をして、社会に貢献している部分もあるのだが、自分の能力を超えたことや犯罪をしてはならない。さもないと、人をもっと、苦しめる。NPOの信頼を落とす。NPOにも、行動規範、倫理があるはずだ。 私もNPO活動をしている。幸い、カウンセリングの領域だから、カウンセラーの倫理ということが言われる。ひきしめて、活動していきたい。