老母が息子を殺害
- 息子の首を絞めて殺害したとして自首した、母親。
- 息子は容疑者の母に暴力を振っていたという。母は「
「他人に暴力を振うようになったら困ると考えて殺した」などと供述しているという。
- 朝日新聞、12/22/2003
(大田評)
- 高齢者の苦悩。わが子の家庭内暴力を解決できずに、よりによって、老母が、わが子を殺害するにいたる悲惨な出来事。
- 母親はおなかをいためて出産し、自分を犠牲にしてわが子を育てます。母親ほどわが子を愛する人はいません。その子を殺すのは、よくよくのことです。
そのような母親のおいつめられた心のゆがみ、「認知のゆがみ」。おいつめられると、一種の心の病気になり、判断力が低下します。冷静な第三者の目で見れば、ほかの手段があったはずです。公的相談機関もあります。
- 母ほど自分を愛してくれる人はいないのに、その母親や家族に暴力を振るうという「認知のゆがみ」。家庭内暴力によって、家族の人を自殺においやる人もいます。家族ほど愛する人はいないのに、その家族に暴言を言い、暴力を振るい、時には自殺、離婚などに追いやる、「認知のゆがみ」。怒りや感情を他者に向けても、解決になならない、と臨床心理学が教えています。自分を責め、家族を責め、一時的に、不満、怒りや不安をまぎらしても、解決にならず、深みが増すだけだとも教えています。心理療法の「認知療法」「自己洞察瞑想療法」も同じことをいいます。
- 自分の心を見直し、感情を爆発させない智慧を養い、家族をいたわり、解決策を気長に探していくことができないでしょうか。