老老介護の果てに、老夫婦心中
福井県大野市の元火葬場の焼却炉で、焼死したとみられる二人の遺体が見つかる事件があり、大野署は近くに住む八十代の夫婦が焼身自殺したと断定した。(中日新聞、11/10/05)
夫婦には子供がいなかった。数年前から認知症の症状が出た妻(82)を夫(80)が付きっきりで介護していた。夫も最近は体調を崩し、病院に通っていたという。
新聞によれば、次のことが伝えらている。
- 心中を決意した夫は決行前の六日夜、全財産を市役所に寄付し処分を依頼する遺言書を郵送していた。約一年前に作成されており、この時点で既に身辺整理を進めていたことがうかがえる。
- 近所の人の話では
「(夫は)妻の面倒は自分で見るんだという人だった。将来を悩んで悲観したのでは」
「神経質なところがあって、奥さん以外に心を開く人がいなかったようだ」
- このように、近所付き合いは希薄だった。
昔ながらの住民同士の関係が比較的残っているような地域でも老夫婦の心中を防ぐことができなかった。
「老老介護」による心中事件が多い。うつ病になっている。行政や公的制度の支援を受ければよいのに、普段から、自分だけでがんばってしまうという、考え方がかたよってしまって、一途に思いつめてしまう。「柔軟心」がないと、うつ病になりやすい。うつ病になれば、なおさら、考え方がせばまり、心中を決意してしまう。老いてくると、身体が動きにくくなって、近所づきあいが少なくなる。そうすると、孤独になって、うつ病、自殺のリスクが高くなる。こういう悲劇を防ぐには、在宅介護サービスの利用ができることの助言、老老介護を把握して支援する仕組みを地域に作る対策(公的機関、NPOなど)と、そういうものに支援を受けるのをためらわない柔軟な心を持つように助言することだろうが、実際は、難しい。人によっては、よびかけても、支援を求めようとしないかもしれない。急に、うつ、となり、自ら孤立することもあり、難しい問題です。私も近づいているので、何か対策を求めたいが、待っていては、解決しないのだろう。地域住民による、うつ病対策運動の延長で、こういう問題にも、拡大していけないものか、いずれ、市や地域の人と話し合う機会があればいいなと思う。
こういう問題も、自己洞察法を実践する会(坐禅会に似た実践会)に参加して、ものの見方を柔軟にして、そこが連携する種々のNPO等、公的機関などの支援を求めていけば、別な解決法を選択できると思います。 全国に、坐禅会や類似の会がありますが、そこに、自己洞察法もとりいれていけば、ずいぶん、社会問題が別な展開をすると思います。