6=老年期の苦悩

高齢者への虐待=施設の現状

 高齢者への虐待が社会問題になっている。身体的な虐待だけでなく、心理的、経済的な場合もあり、自分が虐待していることに気づかなかったり、周囲も見過ごしたりしがちである(1)。

虐待が行われる場所

 高齢者への虐待は、次の2か所で発生する。

高齢者への虐待=施設の現状

 施設における高齢者の虐待の現状を朝日新聞が報じている(2)。
 高齢者処遇研究会(代表田中荘司・日大教授)が、99年に、全国の特養ホーム2千カ所を対象に、虐待の実態を調べた。回答があったのは、678施設で回答率は34%。  職員や施設同士の身内意識が強く、指摘や告発がしにくい環境がある。  回答率が低く、答えにくい問題であり、実態は、もっと多いかもしれない。  長野県で、03年末、特養で実習を受けていた人が、施設内で、スタッフが入居者に身体的虐待をみて、県と町に告発した。

(大田)
 社会に貢献してきた人が高齢になって虐待される。スタッフには、自分がそのような目にあったらどんなにつらい思いをするか苦の共感がないのだろうか。家庭での介護が大変で、家族による虐待、介護疲れによる「うつ病」が起こりがちであるから、施設に入居してもらうのに「施設でも、虐待にあうのか」。高齢者にとって、長生きすることは幸福ではない。心のすさんだ日本である。
 どういうゆがんだ心が人を苦しめるか、洞察することを、学校教育で、もう少し教育しなければいけないのではないか。