6=老年期の苦悩
高齢者への虐待=施設=入所者の金銭管理に問題が
高齢者・傷害者の入所施設やグループホームの9割以上が入居者の現金や通帳を預かり、その20%が金銭管理委託契約を結んでいない。国民生活センターの調べでわかった。
知的傷害者施設で同意なしに入居者の障害年金を寄付として受け取ることが問題になったが、施設側に利用者保護の意識が希薄なことが浮き彫りになった。いくら預かったのかあいまいとなり、利用者の財産がおびやかされる恐れがあり、施設における高齢者の経済的虐待の一種(1)となりかねない。
- 特別養護老人ホーム、痴呆高齢者のグループホーム、知的障害者の施設やグループホームの計5千カ所を対象に調査(03年10月時点)。2938カ所から回答を得た。回答率は58.8%。
- 金銭を預かっているのは全体の92.5%。預かっている施設のうち、20.4%が金銭管理委託契約をかわしていなかった。
- 預かっている施設の11%が預かり金管理の内部規定を作っていない。特に高齢者と知的傷害者のグループホームでは30%前後に達していた。
- 印鑑と通帳を一人の職員が預かっている施設も相当ある。