能登半島地震の被災者に生活不活発病の兆候

 =今日で、能登半島地震から1カ月と9日
 =『足が細くなった』『転びやすい』

   能登半島地震で被災し避難所生活を続けた人の約六割に、地震後二〜四週間で最大三キロの体重変化があった。石川県輪島市の市立輪島病院の調査で分かった。医療関係者は体を動かす機会が減ることで心身機能が低下する「生活不活発病」を懸念しており、「体重の変化はその一つのサイン」と指摘している。
 輪島病院は、全避難所で計約百八十人の身長・体重を測定し、食欲や体の動きやすさ、便通、睡眠などについて聞き取りした。 現在、データの分析を進めており、約八十人分を終え四月末時点では三割が被災前より最大で三キロ太り、同じく三割は体重が減っていた。聞き取りに対し「足が細くなって歩きにくくなった」「何でもない所で転びやすくなった」などと、運動機能の低下を訴える人もあったという。
 四月初めに、現地を国立長寿医療センター研究所の大川部長が訪れて、生活不活発病の恐れを指摘した。「短期間での顕著な体重変化は不活発病の一つのサインととれる。栄養管理、運動促進、心のケアなどを合わせた総合的な対応が必要」とし、自宅に戻った後までを見越した長期的な支援を提唱する。 ( 2007年5月2日 北陸中日新聞HP )
 被災地では、生活不活発病やうつ病、PTSDが起きることがよく知られるようになった。講演は行なわれたものの、すぐに、運動などを指導するプログラムを毎日行なうことはなされなかったのだろうか。継続して、運動と、心のケアをすすめていく体制を直後からとるという対策をとらないと、こういう病気が起きてしまう。さらに研究をすすめて、今後は、災害が起きたら、ただちに、生活不活発病の推進者を任命することを提案して、すぐに、具体的に活動する推進者を速成で育成するプログラムを提供できないものだろうか。1か月もたっては、もう病気が進行してしまう。現地の人でないと、継続的な活動はできない。