被災地で行なうエコノミークラス症候群予防法
=急性肺動脈血栓塞栓症、脳塞栓・脳梗塞、心筋梗塞の予防
震災の後、直後から数年にわたって、種々の身体の不調、心と身体の病気、さらに、多
くのものを失ったために家庭の崩壊、などが起こり、最悪の場合、死亡、自殺が起こりま
す。こういうことを防止すべきです。かなり、予防法がわかってきました。いくつかの方
法がありますが、呼吸法、指体操、フリフリグッパー体操の3つを行なうと、これらの問
題の多く問題の予防になるので、もし、他の支援、指導を受けられない場合には、この3
つをおすすめしたい。順次、掲載していきます。
ここには、震災直後に起きる、エコノミークラス症候群(急性肺動脈血栓塞栓症)など
の予防について、記載します。
エコノミークラス症候群は、航空機内のエコノミークラスの旅客から多く報告されたの
で、名づけられた。飛行機の中では長時間座ったままでいるため、足が圧迫されて、足の
静脈血が滞りがちとなり、水分不足もあって血液粘度が上昇し、血のかたまり(血栓)がで
きて、血管壁に付着する。飛行機が目的地に着いて、席を立つと、足の静脈に付着してい
た血栓が血管壁からはがれ、静脈流に乗って肺に運ばれ、肺の血管を詰まらせることによ
り、この症状が起こる。血栓が、脳に移動して脳の血管を詰まらせると脳塞栓、心臓の血
管を詰まらせると心筋梗塞となる。急死することもある。
震災の後に、自宅が崩壊したために、車の中で寝る人がいて、この病気が起こることが
ある。中越地震では、3人が死亡した。せっかく、地震で、生き延びたのに、避難生活の
中で、死亡する。
このような病気を予防するのには、現地の医師の助言を得てほしい。もし、助言を受け
られなければ、自分でできることは、次のようなことである。
- 車の中では、寝ないこと。眠り込むと、長時間、動かないので、この病気のリスクが
ある。昼間も、長時間、車中にいないで、1時間ごとに、「フリフリグッパー体操」など
、運動をする。
避難所では、周囲がうるさくて、眠れないからという理由で、車で寝たいと思うが、この
病気があって、危険であり、避けたほうがよい。
- 避難所にいて、動かないで、同じ姿勢で、座っていると、同じようなことが起きるお
それがある。周囲に、きがねして、じっとしているというのはよくない。自宅でも、同様
である。
水分を補給したり、1時間ごとに、次のように、身体を動かす。具体的に書くべし、とい
うから、2,3例を具体的に書く。
- (A)「フリフリグッパー体操」を5分。これは、別に、述べる。
- (B)これができなければ、軽い運動をする。足をかかえて、胸の方にゆっくりと持ち
上げる、伸ばす、数回。つま先やかかとを上げ下げする、つま先を曲げ伸ばす、数回。
立ち上がり、膝の曲げ伸ばし。
- (C)(天候が悪く出られなければ)自宅、避難所内で、歩けるところを歩く。外に出て
歩く。
このようなことを、避難所の全員に伝えて、このような運動を行なうことを奨励しまし
ょう。災難にあって、意欲がない、することがないからと、昼間でも、(自宅でも、避難
所でも)横になっている傾向があるが、それは、抑うつ気分や生活不活発病を起こしやす
い(別の記事にします)。
調子が悪くなったら、早めに医者に相談しましょう。