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災害ストレス・自己洞察瞑想療法
被災地における不眠・身体の不調
被災地の人々は、震災直後から、種々のストレスによって、不眠やその他の身体の不調
を起こす人が多い。しばらく経過してからは、うつ病、PTSD、生活不活発病などがみられ
るが、早期から、種々の身体の不調がみられる。抑うつ、イライラ、不安、無気力などの精神症状は、別に考察するが、同様の対策で改善する人もいる。
種々の身体の不調
- 夜眠れない
- 嘔吐
- 震え、びくつき
- 下痢、便秘
- 頭痛
- 耳なり
- 腹痛、胃の不調、食欲低下
- 息苦しさ、過呼吸
- 口のかわき
- 動悸
- 高血圧
- 発汗
- めまい
- 脱力感
- 手足の冷え
- 生理の不調、母乳が止まる
- その他
災害ストレスは、心的外傷体験、多くの喪失、災害による生活の変化、災害後の社会の
混乱などがあって、多大の苦悩がいっせいに押し寄せる。
種々のストレス
- 心的外傷体験の恐怖
- 被災の瞬間やその後の人間関係の不和、苦悩、後悔、罪責感
- 余震の不安
- 大切なものを失った悲しみ
- 従来の人のつながりを失った悲しみ
- 避難所(自宅、仮設住宅でも種々の社会機能の崩壊による)の不自由な生活のつらさ
- 先の見通しがたたない不安
- 持病の悪化、充分な治療を受けられなくなった苦痛、先の不安
- 仕事、収入を失った(まもなく失う)苦しみ
- 行政の人や医療関係者などの復興のための支援を行なう人々の過労、ストレス
- 充分な情報がない不安、不満
予防と治療
このような身体の不調は、重いと医者による治療が必要となるが、呼吸法でも、予防や
症状緩和を期待できる。災害の後の種々のストレスからこういう症状がおきやすいが、ス
トレスによって、つらい感情が繰り返し起きるので、
HPA系
、交感神経が亢進して、ホル
モンが過剰に分泌されるために、関連の臓器に変調が起きるのである。これを予防したり
、治すには、次のようなことを行なうとよい。これで改善しないのは、医療が必要である
。
- 一日中、繰り返しつらいことを考え、不満なことを考えると、身体症状(やがて、う
つ病などが)が起きるので、時々、考えない時間をもうける。(気晴らしになることをするか、以下のことを、個人で、または、グループで行なう。)
- 呼吸法を行なう。これは、副交感神経を活性化して、変調を回復する。また、たくさ
ん行なうと、縫線核セロトニン神経を活性化して、無意識でのHPA系の亢進を抑制する。
また、呼吸法を行なうと、その時間に、呼吸法に注意を集中するので、前頭前野を活性化
して、自動思考を抑制するようになる。 →被災地で行なう呼吸法
- 指体操を行なう。 →脳を活性化する腕指運動
- 「フリフリグッパー体操」を行なう。これを行なう間、つらい思考は止まっており、
前頭前野の活性、セロトニン神経の活性化の効果があって、感情、HPA系の亢進が改善さ
れて、症状が軽くなる。脳だけでなく全身の血行改善による効果も大きい。 →フリフリグッパー体操
- 役割を受け持って、行動したり、身体を動かしたりする。
こういう自律神経失調症状を早期に改善しないと、うつ病、PTSD、生活不活発病などに
進展していくこともあるので、早期に対策をとっていただきたい。
参考記事
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