被災者のストレスによりHPA系・自律神経の亢進、ストレスホルモンの過剰分泌

 =地震

 被災者が強いストレスを受け続けると、1か月ころから、種々の病気が起こりますので、直後から、予防的な対策が重要です。心のケアです。物資の支援のほかに、心のケアの支援が重要です。直後から、不眠・身体の不調が出てくる。これが、兆候です。このような兆候のある人に、心のケアをすると、重病に進展するのを防止できるのです。
 しばらくすると、種々の病気になる重要なわけの一つは、HPA系の亢進、負のフィードバックの機能不全です。
 うつ病になった人は、 HPA系 の亢進、負のフィードバックの機能不全(下図)がみられます。被災者は、大きなストレスが一斉におしよせますので、つらい思考、つらい感情が繰り返し起きるので、HPA 系、自律神経の亢進を毎日、多くの時間、起こしがちです。そうすると、健常者なら、一度興奮したHPA系は、しずめる作用を回路の中に備えているが(負のフィードバック)、HPAの興奮を続けていると、この負のフィードバック機能がそこなわれます。そうなると、常時、HPA系が亢進している状況となり、うつ病が発症する。あるいは、疲労感、意欲がない、身体不調が治らないために、外出しない、運動しない、行動しないという状況になり、生活不活発になりやすくなる。要介護のレベルが悪化する。被災前に、時病があった人は、HPA系の亢進によって、時病が悪化する。
 HPA系の負のフィードバックの機能不全の状態になってしまってからでは、治療に多くの時間と努力を必要とするので、早期の段階から、心のケアを始めたほうがよいのです。  このようなわけで、被災直後から、身体の不調や精神的悩みの軽いうちに、心のケアの対策をとるのがよいのです。
 地震の場合、今が、その早期の段階にあります。今の段階で、ご自分で、症状を軽くできること、重い病気への予防のために、できることは次のようなことを、たくさん、こころがけることだと思います。医者に相談して、診断を受けて、心因性(心理的)の症状、心理的なストレスによる悪化であることがわかれば、薬物療法に加えて、こういう、リラクセーション技法、行動活性化技法を併用すればいいと思います。

 被災直後の心身の不調のあとには、病気(身体の病気、心の病気)になってしまう人が出てくる。それを治すのに、薬物療法による治療を受けても、治りにくい病気を、「心のケア」という視点から治していく段階にはいるでしょう。

参考記事

つらい感情を起こし続けていると、 負のフィードバックの機能が不全となるので、ささいなストレスでも、自律神経、HPA系の興奮が続いて、各種臓器に不調を起こす。長引くと、種々の病気(心因性)になるリスクが高まる。