高校1年の長男、母弟妹を放火殺人

 奈良県の医師(47)宅が全焼して母子3人が死亡した事件が起きた。 殺人容疑で高校1年の長男(16)が、逮捕された。 英語の試験の点数が低かったのに父親に「できた」と伝えており、「学年保護者会で母親が成績表を受け取るとうそがばれると思った」と供述していることがわかった。これは、ひきがねである。  日頃から、厳しい父親に不満、母親にも不満を持っていたことが報道されている。
「父親から成績のことで強くしかられた。暴力も受けた」と父親の厳しさにストレスを募らせ、日頃の出来事を父親に報告する母親にも不満を口にしていた。
 長男は、医者になる夢を持っていた。 自己洞察瞑想療法でいう「価値・願い」である。この願いを崩壊するようなことはしないということを、常に思い起こし、恨み、怒り、不安、不満を建設的な方法で、克服していく。だが、そのことができない人、限界を超えることがある。秋田の事件でも、容疑者がいじめられていた。
 誰もが、「こんなことをすれば、その人が苦しむ」ということを理解していなければならない。自分の嫌なことを知り、他者にしないように心得なければならない。運動のように、日頃から、実行していないと、いざという時に、忘れさられて、「願い」は、忘れられる。
 こういう重大なことを教えて、訓練することをしない。学科の学習ばかり。せいぜい、運動まで。自分の苦しみ、他者の苦しみを教え、克服する心の訓練をする場所がない。つらい時に、相談し、癒される居場所が、家庭にも、学校にもいなくなった。
 家庭も学校も居場所でなくなった子どもが、相談できる場所がほしい。従来、相談機関があるにはあるが、現代にそぐわなくなったのだろう。別な形の相談場所が必要である。
 しかし、やはり、長く暮らす、学校、家庭は居場所となるべきだ。社会をあげて、自分他者の苦しみの克服=心の訓練の大事を思うべきだ。自分の家庭だけは大丈夫だと他人事ではすまない時代だ。近所が燃えている。周囲が燃えれば、まもなく、自分の家も燃え出す。