無残・2歳児、両親から熱湯・棒・虐待死=滋賀県

 2歳の次女を虐待死させたとして、滋賀県の自衛隊員の父(24)と母(25)が傷害致死容疑で逮捕された。2人は「食事をするのが遅いので殴った」などと供述しているという。 2人は6月中旬ごろから7月5日未明ごろまでの間、自宅で次女の優奈ちゃんに殴るけるなどの暴行を加えたり、熱湯を頭にかけるなどして、死亡させた疑い。死因は頭のやけどの傷を放置したことなどによる敗血症だったという。  近所の人たちは「2、3カ月前から、子どもが風呂場で泣き叫んでいた。4、5日前にも聞こえた」「夜になると泣き声とともに子どもをたたく音が聞こえた」と話している。 (2006年07月06日03時25分 asahi.com より)

 自分が逆なことをされたら、どんなにつらいことか、他者の苦しみの共感がない。親は特に、他人がいじめたりすると、いじめる相手を攻撃したくなるほど、わが子を愛するものだと思うが、自分の子に、棒で殴り、熱湯をかけて、やけどを放置するとは、尋常ではない。両親とも、そうであったことも、不幸なことだ。
 家庭のしつけ、ということで、近所の人は、親の子育てに、介入しにくいが、子の虐待が増加しているので、これは、その本人だけの問題ではなくて、社会に問題があるのだろう。貧困な国で、虐待が多いわけではないだろう。
 日本は、このような親を生み出す社会であり、自分もつらい人生を送ったのかもしれない。だが、つらい経験をした人がすべて、こういう犯罪を犯すわけではない。社会も変えるべきところがあり、本人にも、子育て、感情処理について、成長すべきところがある。
 不安障害、気分障害(うつ)は、本人がつらく感じるので、本人が、治したいという気になるが、「不満」「怒り」は、自分側に問題があるとは思わず、相手側を責める、攻撃するが、限度を越えた怒りは、やはり他者を苦しめ、社会生活を阻害し、結局、こうして犯罪者となり、自分にもどってくる。不満、怒りがひどい人は、治療したほうがいい。「怒り」「暴力」が含まれる心の障害、問題としては、パーソナリティ障害、家庭内暴力(DV)、カップルセラピーなどがある。配偶者が、怒りやすい、暴力をふるう、という状況があるならば、相談したほうがいい。虐待された子は、感情系の脳の発達障害を起こすことがあるという報告があって、殺害されず、我慢して大きくなっても不幸な人生を送ることになる割合が高くなる。
 こうした不幸の連鎖を改善するには、心の問題の領域に、社会の 支援が必要であるが、予算などは、他のことに使われる。こういう領域は、豊かな自分には、関係ない、他人事と思う人、無関心の人が多く、ボランティアも参加が 少ない。虐待、いじめ、心の病気、自殺などの問題の改善は、遅々として、すすんでいない。すみやすい日本になるのは、いつになるのか、全く、楽観できない。