介護疲れで次女を殺害した母親に懲役5年=福岡

 福岡市で、今年3月、身体障害者の次女(当時27)を殺害したとして、殺人罪に問われたY被告(53)に対する裁判で、7月20日、懲役5年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。 被告は、寝室で寝ていた次女の首を電気コードで締め付けて殺害し、自分も自殺を図った。
 弁護側は動機について、4月の障害者自立支援法施行などで家計に負担が増えると思い込んだうえ、長年の介護疲れが重なり将来を絶望視したためなどと主張し情状酌量を求めていた。これに対し鈴木裁判長は「何ら根拠なく介護費用が高額になると思い込んだに過ぎず、特にくむべき事情ではない」と退けた。
 一方で、被告が次女の回復を生きがいとして献身的に介護を続けてきたことを指摘。「被害者に対する強い愛情を持ち、被害者と自分を同化させていたからこそ起こった犯行であることは否定できない」と述べた。 裁判長は「独りよがりな思い込みから将来に絶望した結果の犯行で、余りにも思慮が足りないと言わざるをえない」と述べた。(2006年07月20日 asahi.com)
 思い込みや、思慮が足りないということから、悲劇が起きた。長く介護していると、軽いうつ状態になる。そうなると、思慮、判断が衰え、行動力がなくなる。介護疲れとは、軽いうつ状況である。ひどいと、重症のうつ病になり、自殺、心中になる。こういう時に、孤独であると、自殺、心中、殺人という選択も起きる。ちょうど、今夜、NHKで、NPOが有料で、独居の高齢者の無事を確認するサービスを提供していた。介護の必要な家庭にも、役所や専門職のほかの支援がないと、忙しい窓口で、軽くあしらわれては、うつ状態の人は、悲観的に考え、あきらめて、落ち込むに違いない。 地域のNPOなどが、相談支援するサービスを提供できればいいのですが。シルバー人材センターは、労働、事務作業などを行なうが、介護する人の「頭」になるサービスを考えられないものでしょうか。