また児童虐待死・福島県

 =幼児に食事与えず放置死 両親を逮捕 福島

 3歳の男児に食事を与えず死亡させたとして、福島県警は7月28日、男児の父(40)と母(33)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。
 昨年から、三男に十分な食事を与えずに放置し、今年5月下旬ごろ、低栄養状態による肺炎で死亡させた疑い。死亡時に体重が7.9キロと生後6カ月の乳児ほどしかなかったという。
 2人は「朝のあいさつをしなかったから食事を与えなかった。しつけの範囲だ。衰弱に気づかなかった」と話していたという。
 男児は5人兄弟の末っ子。1人は生後間もなく死亡しており、2人は男児の死亡後、衰弱した状態だった。男児の死亡直後、小学生の次女と次男は、児童相談所に保護された。この2人は保護当時、ランドセルをもてないほど衰弱しており、顔にアザがあったという。 (2006年07月29日 asahi.comより)
 両親とも無職だそうですから、貧困のストレスはあったでしょう。その苦痛、不満から感情がうずまき、他者にうっぷんをはらすという情動行動が虐待でしょう。だが、貧しい人でも、すべてが、そういう犯罪を犯すわけではありません。虐待は、上の図の「価値崩壊」のなかの、他者攻撃、犯罪です。こうした自分の心の回路を自覚して、自分にはどういうことが起きると、つらく感じるかを知り、だから、他者になるべくそうしないように注意する心の訓練をいつもこころがけています。不十分ですが、一歩でも、向上したいと続けます。
 人は、感情(怒り、不安、不快など)や欲望(金、名誉、性など)によって影響されて、何かの行動をとろうと判断して選択して、実際行動に移ります。この時に、自分も他者も、苦悩においこまないような行動を選択すべきです。
 貧しさゆえのストレスを、最も愛すべき子どもにはけぐちを求めて虐待すれば、楽しいはずがない。さすがに、虐待する自己を肯定できるはずがない、自己を否定する。働き口をさがしたり、支援を求めたりする意欲もなくなる。虐待する人は、さらに、苦痛が大きくなっていく。悪循環です。
 心の病気、非行犯罪で、多くの人が苦しんでいます。薬物療法などでは解決しません。医療問題ではなく、社会問題です。それぞれの組織、地域でできることが何かを考えていく必要があります。この地元でも、そういうことを訴える催しの一つをやってみましょうかという提案があった。実現するかどうかわからないが、そういう問題意識を持つ方が地元におられて大変嬉しい。
 医療問題もあります。薬物療法を受けても、カウンセリングを受けてもうつ病が治らない。うつ病の治療技術の研究も大変重要です。