「キレ」防止に3歳までの愛情大切

 「キレる子」にしないためには乳幼児期の家族の愛情や生活リズムの定着が大切だとする提言を文部科学省の「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」が10月12日まとめた、という報道があった。情動は、ほぼ「感情」に近い。
 人間の情動は5歳ごろまでに原型が作られると指摘。「その後の取り返しは不可能ではないが、年齢とともに困難になる。3歳ごろまでに母親をはじめとする家族の愛情を受けるのが望ましい」と述べている。
 脳内でコミュニケーションや意欲をつかさどる「前頭連合野」の発達は8歳ごろがピークで、20歳ごろまで続くとも述べ、乳幼児から小学生までの教育の大切さを強調する内容になっている。 (asahi.com 10月12日)  全文は文部科学省のホームぺージで公開されている。

 脳の情動(感情)系は、おさないころに形成される。たとえば、3歳までの、ころ、両親が不和で、両親のいさかいの様子を見聞きしたり、両親が、あまりに、きびしく、両親から、おさない子に、感情的な行動が向けられれば、子どもは、不安、恐怖、悲しいというような陰性の感情・情動が動きやすい脳になってしまう傾向があるだろう。そうなれば、小中学生、高校生、大学生になるころ、情動に関連する心の病気を発症しやすくなるかもしれない。あるいは、情動を制御するのが、困難なために、非行・犯罪に向かうかもしれない。幼い頃に、愛情をかけないと、後に、子どもを不幸にするリスクが高くなる。
 これと同様の傾向かもしれないが、おさない頃、虐待された子が、大きくなって、自分が親になった時にも、また、自分の子に虐待してしまう世代の連鎖も指摘されている。
 だから、子ども持った親は、子どもには、感情をあまりぶつけないで欲しいものです。あまりに、きびしくしかってほしくないものです。愛情を豊かにそそいでほしいものです。
 しかし、とりかえしがつかないことはない。虐待されて育ったために、わが子を虐待した親でも、適切なカウンセリングを受けて、改善されている例も多い。心の苦悩は、いつになっても、改善可能なのであろう。人は、いつでも、変わることができる。絶望せず、やけにならず、根気よく、改善していっていただきたいと思う。
 有田秀穂氏(東邦大学教授)、高田明和氏(浜松医科大名誉教授)が坐禅の腹式呼吸法やリズム運動は、セロトニン神経を活性化して、子もの「キレ」るのも、改善するという生理学の知見を教えておられる。 (そういう技法をとりいれて、自分の心を洞察する自己洞察瞑想カウンセリングもいいものです。おすすめしたい。)