施設における児童虐待=埼玉県

 8月、埼玉県内にある児童養護施設で女性保育士(29)と男性指導員(26)が入所する少年、少女と性的関係を持つという事件が発覚した。体罰などの暴力を受けていた子どもは8人にのぼることがわかった。施設関係者は家庭的な施設を目指したというが、かえって閉鎖的になり、問題の発覚が遅れて性被害が続いたとみられる。
 住宅やアパートに囲まれたL字形の家に、虐待などで親と一緒に住めない3歳から18歳未満の子ども40人ほどが暮らしている。  弱い立場にある、子どもや親は「施設にいられなくなると困る。大げさにしてほしくない」と訴えるので、発覚が遅れる。
 少年が保育士との関係を断とうと誘いを拒むと、施設でけられたりかまれたりしたという。
 今年6月、少年が別の職員に相談して発覚。県と施設が調査したところ、職員による入所者への体罰なども判明し、計11人が処分された。
 この施設は五つの寮に分かれ、寮ごとに職員を固定している。同じ子を10年近く担当する職員もいた。子に対する接し方を見えなくし、ほかの職員に意見を言いにくい雰囲気が生まれたという。
 施設長は「家族と離れて暮らす子が職員とより親密になれるよう担当職員を固定すると閉鎖的になってしまう。悩みはつきない」と話した。
 県内には、県が指導監督する民間児童養護施設が16カ所ある。しかし、03年〜05年、毎年どこか1施設で児童虐待が行われ、県が指導や勧告していたことが分かっている。 ( 2006年08月25日 asahi.com 埼玉 )
 虐待は、家庭における虐待と、施設における虐待とに別れる。対象者が、児童の場合や高齢者がある。これは、施設における児童虐待である。常に問題にされるのに、誰かが繰り返して起こす。家庭で虐待された子が多い、児童擁護施設で、また、スタッフによって虐待される。救われる場所がない。人間不信になるだろう。
 施設のスタッフも自己の感情と欲望をコントロールする訓練が必要なのだろう。