併存症、心理学的特長

CBASP=アメリカの新しい心理療法
(慢性うつ病の新療法:CBASP)
第4章 経過のパターン、依存症、心理学的特長
 アメリカで開発された慢性うつ病の心理療法の概略をみていく。
第4章 経過のパターン、併存症、心理学的特長
ついで、併存症、心理学的特長をみる。

大うつ病と気分変調症の併存

 大うつ病と気分変調症の併存する患者は、重症の大うつ病エピソード(自殺のおそれがある)の再発を繰り返しやすいといういくつかの研究報告を紹介している。

パーソナリティ障害の併存

 慢性うつ病の患者のうちに、かなりの多く、パーソナリティ障害を併存している。その場合、治療が難しくなる。

未治療の慢性うつ病成人の心理的特徴

 「われわれの研究グループは、一連の縦断的研究において、未治療の慢性うつ病成人58例の心理学的特徴を検討した。」として、いくつかの特徴を記している。項目だけをあげておく。

統合的治療プログラムの必要性

 これまでは、慢性うつ病の臨床像をあきらかにする研究は行われたが、治療法はなかった。

慢性うつ病患者の多様な問題

 その時、「慢性うつ病患者の多様な問題について知っておく必要がある」
(大田)
 このような特徴は、慢性うつ病患者だけではないかもしれない。若いころから長期間、ひきこもっている人、他の障害のある人にもあるかもしれない。
こういうわけであるから、慢性うつ病患者の治療には、患者とカウンセラーの双方に、長期間の忍耐が求められそうである。日本も、ここを取り組まないと、うつ病が薬物療法で治らない、自殺が減少しない、という問題を解決できないのではないだろうか。